MicrosoftとLinuxベンダーのXandrosは4日(米国時間)、技術面からマーケティング、知的財産の相互利用にまでおよぶ広範な提携を実施することを発表した。2006年11月にMicrosoftとNovellが電撃的な提携を発表して以来、5月のDellに続き同陣営に参加する企業が増えることになる。

今回の提携により、XandrosはLinuxとWindowsを対象としたクロスプラットフォーム管理、および相互互換性ツールの提供が可能となる。提携開始にあたり、両社が今後5年間注力するとした内容は以下のとおり。

  • システム管理面での相互運用性
    システム管理技術こそが異種プラットフォーム混在環境の運用コストを引き下げるとして、次世代のMicrosoft System CenterとXandros Systems Managementの両製品に対応した管理技術を提供する。具体的には、Microsoftなどの企業が策定したWebサービス管理規格「WS-Management」のプロトコルを、異種プラットフォーム用管理ツール「Xandros BridgeWays」に実装する。
  • サーバの相互運用性
    XandrosはMicrosoftからサーバ製品向けプロトコルのライセンス供与を受け、Xandros ServerとWindows Serverの相互運用を強化する。
  • オフィス文書の互換性
    Xandrosは、Microsoftを中心としたOpen XMLとOpen Document Format(ODF)の変換ツール開発に協力する。「Xandros Desktop」の次期バージョンには、この変換ツールが収録される予定。
  • 知的財産の保証
    Microsoftは、Xandros製品を利用する顧客に対し、Microsoftが保有する特許の使用を認める。
  • Microsoftによる販売とマーケティングの支援
    両社は販売およびマーケティングの分野で協力するとともに、MicrosoftはXandrosのサーバ/デスクトップ製品を推奨Linuxディストリビューションとして、顧客に斡旋する。

Xandrosは、カナダに本拠地を置くLinuxベンダー。2001年にCorelのLinux部門を買収、企業を対象にデスクトップ向けLinux製品に強みを持つ。日本市場向けの製品はリリースされていない。