WSTS(World Semiconductor Trade Statistics: 世界半導体市場統計)は、2007年春季の半導体市場予測を発表、2007-2009年の3年間の世界半導体市場の動向を予測した。2007年の市場規模は対前年比約58億ドル増の2,535億ドルとなり、2006年に続き、過去最大に伸長すると見込んでいる。WSTSは、世界の主要な半導体メーカー多数が参加している半導体市場についての世界的な統計機関で、1984年に設立されている。
この2年の成長率をみると、2005年は対前年比6.8%増、2006年は同8.9%増だ。WSTSの今回予測では、2007年には同2.3%増と低くなるが、2008年には同10.2%増という高い伸びとなる。2009年には同5.2%としており、増勢が続くとの見通しを示している。2006年が好調であった要因としては、パソコン、携帯電話、デジタル家電を挙げている。2007年には第1四半期に北米で、Windows Vistaが期待していたほど伸びなかったことと、携帯型音楽プレーヤーも予想を下回ったことなどにより、低い伸び率を予想している。
2007年の製品別予測をみると、トランジスタ、ダイオードなどディスクリートは、対前年比2.9%増の171億ドル。CCDなどオプトエレクトロニクスは、同4.7%増の171億ドル、IC全体は同2.1%増の2,138億ドル。ICの製品別では、MOSメモリは同2.2%増、MOSマイクロは同1.2%減、MOSロジックは同6.4%増、アナログは同0.5%減としている。
2008年は、ディスクリートは同8.7%増の185億ドル、オプトエレクトロニクスは同11.1%増の189億ドル、IC全体は同10.1%増の2,355億ドル。ICの製品別では、MOSメモリは同7.2%増、MOSマイクロは同9.2%増、MOSロジックは同12.4%増、アナログは同12.1%とみている。
日本市場では、2006年は同11.3%増との結果で、同2%減となった2005年から大きく回復したが、2007年は同5.4%増の5兆6,900億円と、緩やかな成長に留まるとの見通しだ。2008年は同7%増の6兆900億円、2009年は同3.1%増の6兆2,700億円とみており、ゆっくりとしたテンポでの伸びが継続すると予測している。2007-2009年の平均成長率は5.8%となる。