EMI Musicは5月31日、GoogleとYouTubeとの提携合意を発表した。YouTubeを通じて、EMI Music所属アーティストのビデオやレコーディング作品を提供する。
EMI Musicには、デビッド・ボウイ、コールドプレイ、ファットボーイ・スリム、ゴリラズ、ノラ・ジョーンズなどのほか、YouTube Video Awardを獲得したOK GoやSick Puppiesが所属する。EMI Musicは、これらのアーティストの作品を含む音楽ビデオをYouTubeで配信する。3社はまた、EMIが管理するオーディオやビデオを使って、ユーザーがオリジナルコンテンツを作成し、YouTubeコミュニティ内でのアクセスを可能にするビジネスモデル開発でも合意した。その土台となるコンテンツの識別・管理には、YouTubeのコンテンツ管理ツールが用いられる。このツールは、これまで主に著作権を侵害しているコンテンツを識別・削除するために使われていたが、3社は収益を上げる手段への活用を模索する。
EMI Group CEOのEric Nicoli氏は「YouTubeが短期間で現在のような地位を確立したのは、人々が求めているものを理解し、素晴らしい利用体験と共に提供し続けた結果、ファンの熱心な支持を得たからだ」と指摘。パートナーシップについて「われわれのアーティストがファンと交流する新手段となり、新たな収益をわれわれのビジネスとクリエイターにもたらす、革新的なビジネスモデルへの入り口になる」とコメントしている。
EMI Musicは、メジャーレーベルでありながら、レコードやCD時代の手法にしばられない、ネット時代のビジネスモデル確立に努めている。Appleが5月30日(米国時間)に開始した「iTunes Plus」では、EMI所属アーティストの楽曲がDRMフリーの状態でオンライン販売されている。傘下レーベルは、Angel、Astralwerks、Blue Note、Capitol、Capitol Nashville、EMI、EMI Classics、EMI CMG、EMI Televisa Music、Mute、Parlophone、Virginなど。