会計ソフトメーカーの米Intuitは5月29日(現地時間)、同社会計ソフトのオンライン版「QuickBook Online Edition(QBOE)」の法人契約件数が11万に到達し、ユーザー数ベースでは約27万人になったことを報告した。2004年時点での法人契約は2万1000件で、およそ2年半ほどで5倍近い水準まで成長したことになる。QBOEは、小規模事業者向け会計ソフトのいわゆるSaaS(Software as a Service)にあたり、月間19.95ドルの利用料で最大3ユーザー、追加料金なしでのサポートが提供される。同社ではQBOEの利用拡大について「使いやすさ」「利用した分だけを支払う契約形態」「充実したサポート」などの理由を挙げている。

確定申告がすべての個人に義務づけられている米国において、会計ソフトは非常に身近な存在だ。Intuitはこの分野の最大手メーカーである。この会計ソフトの分野にも近年SaaS化の波が押し寄せており、会計士との相談サービス、オンラインバンキングとの連動、電子申告など、オンラインならではの特徴を活かしたユニークな機能をサポートし、さらなるユーザーの獲得に向けてサービスの開発合戦が繰り広げられている。今回、最大手のIntuitがこうした発表を行ったことで、市場全体が成長期に入っていることが改めて示された形となる。

SaaS導入のメリットはいくつかあるが、中小企業にとっての最大のポイントは導入のハードルの低さだろう。Intuitでは米調査会社IDCのシニア調査アナリストMerle Sandler氏のコメントを引用して、「初期導入費用の回避によるコスト低減効果」「導入やメンテナンスのための人員を必要としない運用の容易さ」を強調する。またQBOEならではの特徴として「専門用語をわかりやすい言葉に置き換えた親切なインタフェース」「質問を投げるとおよそ30分以内に適切な返答がある充実したサポート」などを挙げている。