Kauffman Foundationは23日(現地時間)、米国での起業家の活動状況に関する調査報告を公表した。それによると、米国では平均して毎月46万5,000人の起業家が新規事業を立ち上げるという高水準が過去10年にわたって継続している一方、性別、人口、地理的なシフトもゆっくりと進行しており、「エスニック・スタートアップ」が米国の企業家像を書き換えつつあるという。
調査では、アジア系アメリカ人、ラテン系アメリカ人および移民による起業の伸び率が米国生まれのアメリカ人による起業の成長を上回っていると同時に、アフリカ系アメリカ人の起業が減少しているという。
また、男性の起業活動は2005 - 2006年の間で大きな変化はなく、2003年から続いていた減少傾向は底を打った感じだが、女性の起業活動はやや減少している。地域的には、中西部での起業活動が減少しており、結果的に中西部は全米でもっとも起業活動が低調な地域となったが、これは過去11年の調査を通じて初めてのことだという。1996 - 2005年の間、一貫して起業活動がもっとも低調な地域となっていたのは北東部である。
起業活動がもっともさかんな州トップ5は、モンタナ、ミシシッピ、ジョージア、オクラホマ、メインとなる。逆に低調な州ワースト5はミシガン、ペンシルバニア、サウスカロライナ、イリノイ、デラウェアとなる。
調査結果について同社の会長兼CEOのCarl Schramm氏は「米国は依然"起業家の国"であり続けている。起業を志す人口はきわめて多く、そうして生まれた小さく新しい成長中の事業が膨大な雇用を生み出しており、こうした新規事業の柔軟性や変化への迅速な対応といった得失が国レベルの経済成長の重要な要因となっている」としている。
そのほか、調査から得られた知見は以下の通り。
- 起業家における移民の比率は2005年の0.35%から2006年では0.37%に増加しており、米国生まれのアメリカ人による比率(0.27%)を上回る
- アジア系の比率は0.27%(2005年)から0.32%(2006年)に増加。非ラテン系白人の比率は0.29%で変化なし。アフリカ系アメリカ人では、0.24%(2005年)から0.22%(2006年)にやや減少した一方、ラテン系は0.32%から0.33%へとやや増加している
- 米国内の15大都市では、起業活動がもっとも盛んだったのはマイアミ(0.50%)、次いでアトランタ(0.49%)。低調だった都市はデトロイト(0.13%)とシカゴ(0.18%)
- 2006年には、平均して成人人口のうちの0.29%(10万人中290人)が毎月新規事業を創造したことになる。その結果、毎月46万5,000の新規事業が生まれている。成人人口に対する起業家の比率は2005年も同じ0.29%だった
- 男性の起業家の比率は0.35%で2005年、2006年とも変化なし。女性では0.24%(2005年)から0.23%(2006年)にやや減少した。