ネットサービスとオンラインゲームの中国大手、網易(NetEase)がこのほど、今年中にGoogleとの協力関係を停止すると発表した。
網易は2004年6月にGoogleと戦略的な協力関係を締結、中国で唯一、Googleの検索エンジン技術を使うポータルサイトとなっている。だが、昨年12月に網易が検索エンジンの独自開発に着手したことを機に、両社の協力関係は網易の検索エンジンが完成する頃合いに終わるのではないかという噂が業界内外で絶えなかった。
網易CEOの丁磊氏は、この直前の電話会議の席上、「当社は独自の検索エンジンを発表するにあたり、これまでのGoogleとの協力関係を停止する」と宣言した。今回の正式発表が、この噂が現実になったことを証明する格好となった。
網易COOの董瑞豹氏は、「当社は独自の検索エンジンの開発を順調に進めている。今年の下半期にもこの検索エンジンをリリースする計画だ。これは、当社の最も重要な戦略の一つ」と、開発の進捗状況と発表時期を明らかにした。前出の丁磊氏も、今年下半期に検索エンジンのベータ版と、人気ゲーム『夢幻西遊』のアップデート版を発表すると表明した。
網易の発表によると、今年の第1四半期の売上額は7,180万ドルに達し、昨年第4四半期の6,920万ドルより増加した。特にコア業務のオンラインゲームの売上額が7%増となっている。こうした業績に支えられ、独自の検索エンジンの開発や人気ゲーム『夢幻西遊』のアップデートが計画通りに進行しているものとみられる。
易観国際が今年初めに公開した業界レポートによれば、中国の検索エンジン市場の成長スピードは鈍化し始めている。百度、谷歌(Google)、中国Yahoo!、捜狗、新浪、中捜、網易の7社が市場シェアの97.2%を占めているが、網易は百度、Google、中国Yahoo!に大差を付けられている。こうした市場構造からみれば、網易による検索エンジンの発表は市場競争を一層激化させていくだけではなく、網易自身にとっても一つの試練になることは間違いないと言えるだろう。