IDC中国がこのほど、「中国ITセキュリティ市場に関する分析と予測2007-2011(2006下半期)]と題するレポートを発表した。同レポートは中国におけるITセキュリティ市場の現状を明らかにしたうえで、中長期的な発展を予測している。
同レポートによると2006年、中国ITセキュリティ市場全体の規模が5.76億ドルに達した。そのうち、セキュリティ・アプライアンスの規模が2.87億ドルで全体の49.6%を占め、最大のセグメントとなっている。またセキュリティサービス市場規模は1.29億ドルで全体の22.5%を、セキュリティソフトウェアの規模は1.6億ドルで、全体の27.9%を占めている。
中国におけるUTMアプライアンスの市場規模は2006年に2,700万ドルに達し、対前年比で84.3%も増加した。UTMアプライアンスは、急速に成長してきている中国ITセキュリティ市場において、最も重要なエマージングセグメントの1つとなっており、2011年には1.89億ドルに達すると、IDC中国は指摘している。
IDC中国シニアアナリストの董鋭氏は、「初期のUTMアプライアンスはユーザーのニーズを的確に掴めなかったため、市場からの反応も薄かった。製品機能と技術の向上につれ、UTMアプライアンスの品質が改善され、多くのユーザー、特にIT支出予算の厳しい中小企業に受け入れられるようになってきている」と、UTMアプライアンス市場成長の背景を説明した。
中国ITセキュリティ市場の最も重要な牽引役である中国国内のセキュリティーベンダは、同市場の成長ぶりと見通しに注目、市場参入を活発化させており、UTMアプライアンス市場、そしてITセキュリティ市場全体の成長を一気に加速させていくだろうとIDCは指摘している。