携帯電話向け無線通信方式のGSM標準を策定/推進する業界団体「GSM Association(GSMA)」は23日、携帯電話向けの広告に関して標準フォーマットを策定するイニシアティブ「Mobile Advertising Programme」を開始することを発表した。モバイル、広告、コンテンツの各業界が協力して、モバイル向け広告市場を立ち上げていくという。
Mobile Advertising Programmeは、GSMAの「Mobile Media and Entertainment Group」の下で進められるプログラム。携帯電話の画面を利用した広告配信に向け、フォーマットと効果測定指標の2つの面から標準化を図るという。
この取り組みにより、コンテンツの種類に応じた広告フォーマットの最適化を行い、モバイル向け広告配信を容易にする。広告が「ユーザーのエクスペリエンスを損なうものではなく改善するもの」であることを目標とし、このようなマーケティングテクニックの開発を促進する行動規範のようなものを促進するともいう。広告主には、ユーザーのプライバシーがきちんと保護された形で、ユーザーと直接コミュニケーションできる機会になるとしている。
Mobile Advertising Programmeを推進するMobile Media and Entertainment Groupに参加するオペレータは、AT&T(元Cingular Wireless)、3、KTF、Orange、Smart Communications、T-Mobile、Telefonica O2 Europeの7社。
携帯電話は消費者が常に持ち歩くコミュニケーション端末であり、ターゲットを特定しやすいこと、反応がわかりやすいことなどから、このところ広告やマーケティング業界からの関心が高まっている。だが、標準フォーマットがないことやプライバシー保護に対する懸念が障害とされており、今回のGSMAのイニシアティブはこれに取り組むものといえる。
モバイル広告については、最大手の端末メーカーであるフィンランドNokiaも今年に入り、サービスプログラムを発表している。
GSMAは世界700社以上のオペレータが参加しており、ユーザー数にして24億人という大きな業界団体だ。今回の動きがモバイル広告にとって大きな一歩となるかが注目される。