米Salesforce.comは5月21日(現地時間)、同社の開発フレームワーク「Apex」向けの新機能セット「Salesforce SOA」を発表した。同機能により、Apexで開発されたアプリケーションを容易にSOA対応にし、WebサービスとしてSOAP等のプロトコルを使って呼び出し、企業のビジネスプロセス内に組み込むことが可能になる。
新機能は、同日に米国内で開催された開発者会議「Salesforce Developer Conference」内で目玉トピックとして紹介されたもの。Apexは現在一般向け機能プレビューが提供されており、Salesforce SOAの機能を組み込んだバージョンは8月にもリリースされる見込み。同機能を含むApexの正式リリースは2007年12月を予定している。
Salesforce SOAで同社が強調しているのは、その使いやすさだ。「従来までのソフトウェア企業が提供するSOAでは、導入コストがかかり過ぎ、非常に複雑で、インフラ構築のために必要になるソフトウェアが多過ぎる。調査報告で、多くのユーザー企業がSOA投資に対するリターンを得ていないと感じており、インフラに対する多大な投資が必要なことは製品を提供するベンダーでさえも認めている。だが今日のWebビジネスアプリケーションで複数のWebサービスを組み合わせることは避けられなくなっており、これをApexを用いて簡単にできないかと考えられたのがSalesforce SOAだ」と米Salesforce.comの技術部門EVPのParker Harris氏と開発マーケティング部門VPのAdam Gross氏は説明する。
従来ソフトウェア型のSOAではコストがかかり過ぎ、仕組みは複雑なものとなる。かけたコストほどにメリットは感じられないという |
だが、Webサービスを介してアプリケーション同士を結びつける仕組みは必須のものとなりつつある。電源プラグを抜き差しするように簡単にアプリケーション同士を接続させようというのがSalesforce SOAの原点だ |
Salesforce SOAを使うことで、Apexアプリケーション上から簡単に社内外のWebサービスを呼び出すことが可能になる。例えば、Oracles Applications上に購買用のアプリケーションが構築されていた場合、Salesforceの営業支援アプリケーション上から当該のサービスを呼び出して、簡単に1つのシステムとして統合が可能になる。実行にあたってはミドルウェアインフラ等の導入を前提としないため、必要な機能をWebサービスとしてApexから呼び出せる。