ソフトウェア業界の巨人Microsoftへの対抗のため、インターネット分野の業界リーダー2社がタッグを組む可能性が浮上している。経済紙の米Wall Street Journalが5月21日(現地時間)、GoogleとSalesforce.comの2社がMicrosoft対抗を目的とした提携を模索していると報じた。同紙によれば、両社は現在提携内容の詳細を詰めており、数週間内にも正式なアナウンスがある見込みだという。

Googleは検索技術を中心にインターネットの世界を席巻している新世代IT企業の旗手であり、一方のSalesforce.comは「SaaS(Software as a Service)」と呼ばれるサービス形態でビジネスアプリケーションをオンデマンドで提供するベンダーの草分けとして知られる。両社に共通するのはインターネットを中心にサービスを構築し、従来型のソフトウェアビジネスに異を唱えている点だ。この両社が従来型ソフトウェア企業のリーダーであるMicrosoftに共同で立ち向かうという構図は、時代の変化を感じさせるという意味で興味深い。

この提携話がWall Street Journal紙によって報じられた当日、折りしもSalesforce.comが同社初の開発者会議「Salesforce Developer Conference」を米カリフォルニア州サンタクララにて開催している。同カンファレンスの基調講演で登壇したCEOのMarc Benioff氏は冒頭の挨拶で「今朝から多くの人々が(Googleとの件で)質問をしてくるが、現時点でコメントできることはない。だがGoogleが重要な企業であることに違いはない」とコメントしている。