米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は16日(現地時間)、オンライン広告プラットフォーム技術を提供するドイツのベンチャー企業Adtechの過半数株式を取得したことを発表した。買収金額などの詳細情報は公開されていない。Adtechは今後、AOLの広告子会社であるAdvertising.comの下で独立した事業体として運営されるという。このところインターネット企業による広告企業の取得が続いており、AOLもこの動きにならう形となった。

Adtechは、オンライン広告管理/配信アプリケーションを開発/提供する企業。同社のプラットフォームを利用することで、Webサイト主はオンライン広告キャンペーンを効果的に管理/追跡できるという。同社は欧州を中心に世界25カ国に顧客を持ち、昨年米国市場強化のために米国に事業所を立ち上げている。

AOLによると、Adtechの広告プラットフォームの特徴は、直感的かつ多機能なユーザーインタフェースを持つ使いやすいツールと、拡張性のあるエンタープライズ級のインフラにある。広告配信/管理のほか、在庫管理、フォーキャスト、レポーティングなどの機能をもつ包括的なソリューションを提供するという。Webサイト主は、広告在庫の活用により、さらなる収益増を図れるとしている。

AOLはオンライン広告事業を子会社Advertising.comで展開しており、Adtechの技術やサービスはAdvertising.comの下で提供される。Advertising.comはAOLが2004年に買収した企業で、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告などのオンライン広告サービスを9カ国で提供している。

AOLは、前日の15日にモバイル向け広告ソリューション企業 米Third Screen Mediaの買収を発表するなど、広告事業を強化している。Third Screen MediaもAdvertising.comの下で展開される予定だ。

インターネット企業のオンライン広告分野進出は、4月に大手米Googleが米DoubleClick買収を発表して以来、各社が動きを見せている。その後、米Yahooもオンライン広告オークションの米Right Mediaの全株式を取得することを発表しており、17日には、大手広告グループ英WPPが米24/7 Real Mediaの買収を発表した。24/7 Real Mediaは、米Microsoftが買収を検討していると噂されていたオンライン広告企業。