業務アプリケーション大手の独SAPは14日(現地時間)、コンタクトセンターなどコミュニケーションソフトウェアを開発/提供するフィンランドのWicom Communicationsを買収したことを発表した。Wicomは1999年設立の非公開企業で、買収金額など金銭面での条件は公開されていない。

Wicomは、コンタクトセンターなどの企業向けコミュニケーションソフトウェアを開発するベンチャー企業。オールIPベースを特徴とし、Webサービス技術を利用して「SAP Customer Relationship Management(SAP CRM)」と接続できる。ホスティング、オンプロミス、ホスティングとオンプロミスの混合型の3タイプで実装が可能という。

SAPは同社を買収することで、CRMなどの自社業務アプリケーションに、マルチチャンネルのコミュニケーション機能を付加できるとしている。

具体的には、コミュニケーション機能とビジネスプロセスを加えることで、顧客サービス、マーケティング、営業などの機能を接続できる。ビジネスプロセスを仮想的に構築/管理することで、顧客、パートナー企業、サプライヤなどを結ぶネットワークでナレッジ、リソース、コミュニケーションの各チャネルを効果的に活用/管理できるという。

SAPはWicomの買収を5月7日に完了しており、現在、統合作業を進めているという。