日本HPは15日、システム統合や災害対策センタに適した新ストレージ「HP StorageWorks XP24000 ディスクアレイ(以下、XP24000)」を発表した。XP24000は、同社のハイエンドストレージ群「HP StorageWorks ディスクアレイ XP ファミリ(以下、XPファミリ)」の最上位機種に位置付けられ、現在販売中の「XP12000」の後継製品に当たる。

XPファミリは、1999年のXP256のリリース以来、これまでに全世界で8000台以上の販売を記録。提供してきた総バイト数は100PB(ぺタバイト)を超えるという高い導入実績誇る。今回発表されたXP24000は、XPファミリの第5世代に位置づけられるハイエンドストレージ。第4世代のXP12000と比べて、仮想化機能が強化されたほか、大幅な性能改善が実施された。

仮想化強化の目玉は、新たに導入された「XP Thin Provisioning」と呼ばれる機能。この機能を使用すると、実際に設置した物理ディスク容量以上のディスク容量を仮想的にホストへ割り当てられるようになる。例えば、設置した物理ディスクの容量が4TBという状況においても、仮想ディスク容量を16TBに設定しておけばホストからは常に16TBの物理ディスク容量を備えるストレージに見えるため、物理ディスクを増設する際にも16TBまではホスト側の設定を変更する必要がなくなる。したがって、サービスの停止時間を大幅に削減することが可能だ。

エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ストレージワークス製品本部 プロダクトマーケティング部 担当マネージャ 諏訪英一郎氏

HPでは、この機能の導入に合わせて、「HP StorageWorks Utility Ready Storage」と呼ばれる新たな料金プログラムを準備。従来は3年単位で更新していた従量課金の料金設定を、1年ごとに見直すように改めた(ただし、契約自体は3年単位で締結)。これにより、「これまでは将来を見越して設置した大きめの物理ディスク容量で3年間の料金を算出することになっていたが、今後は現在の運用状況に適した料金設定ができるようになり、ユーザーの負担を減らせる」(エンタープライズ ストレージ・サーバ本部 ストレージワークス製品本部 プロダクトマーケティング部 担当マネージャ 諏訪英一郎氏)という。

一方、性能改善という面では、4Gbpsのファイバーチャネルを採用したほか、プロセッサの高速化やプロセッサ間の負荷分散を行うなど、パフォーマンスに関わる要素を全面的に刷新。その結果、実運用を想定して行った同社のテストでは、約50%の性能向上が認められた。

これらに加えて、XP24000では、運用管理機能の利便性向上も図られている。これまで、遠隔地に設置された災害対策用のサーバへデータを転送する際には、一般的な非同期方式で通信行っており、キャッシュデータをそのまま転送する形式をとっていたため、I/O負荷が高い環境では相応の広帯域ネットワーク回線が必要だった。しかし、XP24000では、転送データをバッファリングしておくための「ジャーナル」と呼ばれるデータ領域を用意。回線が空いたときを見計らってデータを転送できるようになっため、広帯域ネットワーク回線を敷かなくても運用が可能になった。

XP24000は、6月11日より販売を始め、7月上旬から出荷を開始する。最低構成価格は5897万8500円。

XP 24000