大手通信機器メーカーの仏Alcatel-Lucentは、2007年第1四半期(1月-3月期)の業績結果を発表した。同期、同社の売上高は前年同期比8%減の38億8,200万ユーロ、営業損失は2億4,400万ユーロとなり、減収減益を計上した。だが、コスト削減を目指した再編は順調に進んでいるという。

Alcatel-Lucentによると、調整後の第1四半期の売上高は38億8,200万ユーロとなり、前年同期の44億3,300万ユーロから減収となった。営業損失は2億4,400万ユーロと赤字を計上。これは、前年の営業利益2億4,600万ユーロから約200%の損失となる。粗利益は13億3,500万ユーロで、前年の17億5,700万ユーロからマイナスとなり、純利益は1億9,900万ユーロで、これも前年の3億600万ユーロからマイナスとなった。

内訳をみると、有線、無線、コンバージェンスを含む通信キャリア部門の売り上げは、28億3,900万ユーロで、前年同期比10%減となった。このうち、有線は前年同期比1%増の12億8,700万ユーロを売り上げたが、無線は同15%減、コンバージェンスは同28%減と不調だった。

有線では、北米・西欧州地区でのGPON実装が好調で、米Verizonなどのキャリアからの受注を受けた。無線では、新興市場での2G技術が伸び悩んだことが足を引っ張った。だが、北米におけるCDMA事業は引き続き好調で、CDMA2000 1x EVDO Rev Aへのアップグレード需要が堅調だったという。同社はまた、NortelのUMTS無線事業買収後、初の西欧州の3G契約として、仏無線オペレータのSFRよりUMTS/HSPA網実装の受注を発表している。

法人分野は売上高3億7,100万ユーロで前年同期比12%増となったが、サービス分野は同3%マイナスの6億2,600万ユーロとなった。

Alcatel-Lucentは、仏Alcatelと米Lucent Technologiesが昨年12月に合併してできた企業で、有線では世界最大手となる。同社によると、2社の製品と技術の統合ロードマップは完了しており、今期は受注が改善したという。すでに研究開発、情報システム、購買などの分野でコスト削減は進んでおり、約1,900人の従業員解雇が完了した。同社は、今年約6億ユーロ(税込)のコスト削減を見込んでおり、合併時の目標である今後3年間で17億ユーロのコスト削減(税込)については、目標達成が可能との見通しを示している。

Alcatel-Lucentでは、第2四半期は前四半期比10%増の売上高を見込んでいるという。