Red Hatは9日(米国時間)、サンディエゴで開催中のRED HAT SUMMIT 2007において、新しいクライアント製品として「Red Hat Global Desktop」を投入する計画を明らかにした。ローコストPCを対象としたデスクトップ指向のディストリビューションとなる見込みで、Intelとの協力関係のもと製品デザインが決定される。
Red Hat Global Desktopは、新興成長市場向けの新製品。コストパフォーマンスの向上を重視し、地方政府や小規模事業者により優れたソリューションを提供することを目指すという。製品デザインはRed HatとIntelの共同作業によるもので、Classmate PCやLow-Cost PCといった広範なIntelのPCデザインに対応するとのこと。製品の流通にIntelの販売網を利用することは示されたが、リリース時期を含め具体的な内容は示されていない。
両社は同日、Intel vProプロセッサテクノロジに対応したソフトウェアプラットフォームの提供に関しても発表を行った。そのソフトウェアは「Red Hat Virtual Appliance OS」と呼ばれ、企業のIT部門の労力削減とセキュリティ向上を目指す。開発はすでに開始されており、今年末にはβ版を、2008年には正式版をリリースする予定とのこと。
2006年9月に発表されたIntel vProテクノロジは、低い電力消費量のもと発揮される高いパフォーマンスと、高度なセキュリティ機能と優れた運用管理機能が特徴。企業のクライアントマシンとしての利用など、ビジネスPC向けの活用が想定され、今回のIntelとRed Hatとの協力関係もLinuxクライアントにvProの採用を促すもの。エンタープライズ市場におけるLinuxクライアントを巡っては、Microsoft-Novellの提携にDellが参加するなど、企業連合を形成する動きが進展しつつある。