米eBay傘下のSkype Technologiesは8日(現地時間)、米Salesforce.comのCRMプラットフォーム向けVoIPアプリケーションの最新版「Skype for Salesforce」を発表した。SalesforceのオンデマンドアプリケーションにSkypeのVoIP機能を統合できるツールで、Salesforceの「AppExchange」経由で提供する。
Skype for Salesforceは、ソフトウェアをサービスとして提供するSaaS大手のSalesforceのCRMやSFAアプリケーションでSkypeのVoIPを利用できるツール。Skypeの開発者プログラムの1社である独PamConsultが開発・保守を行っており、Salesforceが提供するアプリケーション共有サービスであるAppExchange経由で提供する。これを利用することで、SalesforceのアプリケーションにSkypeをシームレスに統合できる。
Skypeは、2006年1月にSalesforceがAppExchangeを開設した当初からVoIPアプリケーションを提供していたが、今回の最新版ではPCベースでのSkypeユーザー同士のコミュニケーション(通話やチャット)に加え、Skypeから固定電話や携帯電話に発信できる有料サービス「Skype Out」などのVoIP機能も利用できる。また、最大10人での電話会議も可能とした。これにより、通話コストを抑えられるだけでなく、顧客やパートナーとの関係も強化・改善できるという。
Salesforceのコンピュータテレフォニー(CTI)アダプタとSkypeを統合することで、Salesforceの「Salesforce SFA」「Salesforce Service & Support」の両アプリケーションにある顧客リストを利用して、クリック1つで通話を開始できる。顧客リストにある顧客から電話が入った際は、ポップアップ画面が表示されるという。
SkypeはコンシューマからSMB(中小規模企業)を中心とした法人市場に拡大を図っており、今回のSalesforce向けアプリケーションはその一環となる。
Skype for Salesforceは無償で、AppExchangeよりダウンロードが可能(アプリケーション名は「Skype CTI Connector 2.0 Basic Edition」)。Salesforceによると、AppExchangeで提供されているアプリケーション数は575を数えるという。