2007年のゴールデンウィークは皆様いかがお過ごしだっただろうか。長い休みの間、開発業務やプログラミングのことも忘れてのんびり過ごした方も多いと思いだろう。しかし、Javaの世界はそんな日本人の休日とは全く無縁だ。サンフランシスコで開催されるJavaOneを目前に控え、Java周りの動向はますます活発になっている。JavaOneで発表されるであろう様々なニュースに備えるためにも、ゴールデンウィーク中に発表されたJava関連のニュースを一気に紹介しておきたい。

Java統合開発環境「NetBeans IDE 6.0」プレビュー版リリース

Java統合開発環境NetBeans IDEの次期リリースであるバージョン6.0のプレビュー版(マイルストーン9)がリリースされた。正式リリースは現在のところ2007年11月を予定しているとのこと。

バージョン6.0で改善された点は以下の通りだ。

  • Ruby/JRuby/Ruby on Railsのサポート
  • エディタの大幅改良
  • プロファイラの統合
  • Swing開発環境の強化により、「Beans Binding(JSR 295)」と「Swing Application Framework(JSR 296)」もサポート
  • Web開発環境の強化(ビジュアルJSF開発環境、JavaScriptエディタなど)
  • モバイル開発環境の改良
  • インストール、更新が容易に

インストールとIDEの実行には、バージョン5.0以上のJDKが必要。こちらのサイトからダウンロードが可能だ。

画面1:NetBeans6.0プレビュー版で、RubyのファイルやSwingエディタを開いたところ

Apache版Java SEの「Apache Harmony」が初の安定ビルドをリリース

4月30日、Apache版Java SEの開発を続けているApache Harmonyプロジェクトが、初の安定ビルドである「Apache Harmony 5.0 M1 (マイルストーン1)」をリリースした。Apache License Version 2の下にソースコードが公開されている。Java SE 5.0との完全互換を目指しており、その達成率は現在のところ95%以上。Apache TomcatやEclipseなど、かなり大規模なJavaアプリケーションがHarmony上で動作可能だという。

今回のリリースでサポートされるプラットフォームは32ビットx86アーキテクチャ版Windowsと、32ビット/64ビットx86アーキテクチャ版Linux。

ダウンロードイメージはJREとJDKが用意されており、どちらもzip形式/tar.gz形式で圧縮してあるだけだ。アーカイブを展開してbinディレクトリにパスを通すだけで利用可能なので、ぜひお試しいただきたい。

GlassFish v2 beta 2リリース

5月3日、オープンソースのJava EEアプリケーションサーバであるGlassFishの新バージョン「GlassFish V2 Beta2」がリリースされた。

GlassFishバージョン2で追加された主な機能としては、以下のようなものが挙げられる。

  • クラスタリング、負荷分散といった高い可用性
  • Project Tangoの成果により、MicrosoftのWebサービステクノロジー(Windows Communication Foundation)との相互運用が可能に
  • パフォーマンスの向上
  • Ajax、スクリプティング、RESTfulなWebサービスなど、最新のWebテクノロジをサポート

正式版のリリースは9月17日を予定しているとのことである。

JMX Web Services Connectorの参照実装がリリース

JSR 262として仕様策定が進められている「Web Services Connector for Java Management Extensions (JMX)」の参照実装がリリースされた。こちらのサイトからダウンロードできる。

JSR 262は、JMXが提供する管理機能をWebサービス経由で利用できるようにするというもの。プロトコルにはWebサービスを利用したITシステムの管理を行うための仕様である「WS-Management」が使用される。これにより、JMXが公開する情報に、Java以外の言語で書かれたJMXクライアントからアクセスすることが可能になる。

Webサービス実行環境 Apache Axis2/Java バージョン1.2リリース

少し前になるが、4月27日には、Webサービスの実行環境であるApache Axis2/Javaの新バージョン1.2がリリースされた。

今回のリリースにおける一番の目玉はWSDL 2.0をフルサポートしたこと。他にも「Webサービスメタデータアノテーション(JSR 181)」のサポート、JAX-WSとの統合、バイナリシリアライゼーションの追加など、さまざまな機能拡張がなされている。