英The Economist Groupのビジネス情報部門となるEconomist Intelligence Unit(EIU)は、世界69カ国のeビジネス対応度などを調査した最新レポート「The 2007 e-readiness rankings」を発表した。

EIUがIBM Institute for Business Valueと共同で、2000年から毎年実施している調査に基づくレポートで、どれほど情報通信技術(ICT)をビジネスに活用できる環境が整えられているかがチェックされる。"技術インフラおよびネットワーク接続性""ビジネス環境""社会文化的環境""法的環境""政府の方針""消費者および企業のICT活用度"から成る、全6カテゴリの100を超える調査項目より、e-readinessスコアが算出されている。

10点満点のe-readinessスコアで、8.88点を獲得してトップに立ったのはデンマーク。2位には、ともに8.85点を記録した米国とスウェーデンがランクインしており、欧米諸国の上位ランキング入りが目立っている。

欧米諸国の上位ランキング入りが目立つものの、アジア太平洋地域がe-readinessスコアを伸ばした

しかし、今回で8年目を向かえる同調査は、世界のeビジネス環境が大きく変化しつつあることを受けて、今年からスコアの算出方法を変更した。

例えば、"技術インフラおよびネットワーク接続性カテゴリー"において、これまではブロードバンドインフラ整備が重要視されていたものの、今回の調査からは、どれほど高速・安全・低価格な利用環境が整っているかをチェックする方式が採用された。また、たとえ固定電話回線がなくても、どれほど携帯電話を利用して各種サービスが提供されているかを重視する調査方式に移行したとされる。ICT環境を整備する上で、政策面でのサポートの重要性や、実際に国内で高い利用度が見られるかなどのポイントも、より深くスコア算出に関係するようになったという。

そして、今回のレポートの大きな特徴として、アジア太平洋地域の各国が、新方式でe-readinessスコアを大きく伸ばした点が挙げられている。同地域トップとなる香港は、8.72点を叩き出し、昨年10位から大きく順位を上げて4位にランクイン。シンガポールも昨年13位から6位へ順位を上げたほか、韓国、台湾、日本も、昨年からスコアを伸ばしている。ちなみに日本のe-readinessスコアは8.01点とされており、昨年21位から、今年は18位までランクを上げたものの、昨年下位の台湾に抜かれてしまった。

なお、69カ国全体の平均スコアは6.24点で、昨年の6.02点から上昇。ランキング上位国と下位国のスコアギャップも縮小傾向にあるとされ、さらなるICT普及によるデジタルデバイド解消への期待も高まっている。