iResearchがこのほど、「2006年 中国網上婚恋交友市場研究報告(2006年ネット交際・交友市場研究報告書)」を発表した。同報告書は、中国におけるネット交際・交友市場が2006年時点で1.75億元に達し、一昨年より169.2%も増加したことを明らかにした上で、2010年の市場規模を12億元(約180億円)と予測、向こう4年間の年間平均成長率を84.7%としている。
中国互聯網絡信息中心(CNNIC)の最新調査によれば、24~40才の網民(ネットユーザー)が、全ネットユーザーの40%を占めている。これで推算すれば、2006年時点では結婚適齢期にある中国ネットユーザー人口は6,000万人で、若いネットユーザーの急増により、さらに市場のパイが拡大するものと予測されている。この、適齢期にあるネットユーザーの中身だが、仕事、環境、性格、考え方などの理由から独身でいる人々が少なくない。これが、ネット交際・交友市場における巨大な需要となっているようだ。
iResearchによれば、39%のネットユーザーが、ネット交際・交友を「ロマンティック」だと思っている。こうしたユーザーサイドの捉え方が、同市場を急速に拡大させる原動力になっているとiResearchは指摘している。さらにオンライン決済の普及、身元確認機能の強化などが、ネット交際・交友の安全性と利便性への承認につながっている。
こうした背景の下、その高い成長性と楽観的な見通しに魅力され、多くの中国国外のベンチャーキャピタルが同市場に進出してきている。2005年6月、SAIF partners(軟銀亜州賽富)が深セン浩天に1,200万ドルを投資。2006年12月にはMeeticが億友網に2,000万ドルを投入し、Meeticの中国語サイト「蜜糖網」を開通した。このほか百合網、世紀佳縁、中国交友中心などのサイトも、ベンチャーキャピタルからの投資を受け入れている。こうした投資が増えるなかで、ネット交際・交友市場の拡大にさらに拍車がかかっているというのが現状である。