米Google、米Amazon.comなどのベンチャー育成に携わったシリコンバレーの有名なベンチャーキャピタル、Kleiner Perkins Caufield&Byers(KPCB)は24日(現地時間)、3億6,000万ドルの投資金とともに、初のサテライトオフィスとして中国に拠点を立ち上げることを発表した。KPCBは地元の4人のベンチャーキャピタリストと投資会社と組んで、巨大な中国市場に進出する。

KPCBは、Google、Amazon.com、米Netscape、米Sun Microsystemsなどのインターネット企業に投資してきたシリコンバレーの著名なベンチャーキャピタル。Sunの共同設立者、Bill Joy氏がパートナーとして参加していることでも知られている。

高い経済成長を維持している中国ではベンチャー投資も盛んで、中国の投資情報企業Zero2IPOによると、ベンチャーキャピタルによる投資金額は2005年の11億7,742万ドルから2006年には17億7,742万ドルに増加したという。

KPCBでは2006年より中国で投資活動を行っており、今回このチャンスを活用するため、Kleiner Perkins Caufield&Byers Chinaとして首都・北京と上海の2カ所にオフィスを構え、地元のチームとともに中国に進出する。

これにあたり、4人の地元ベンチャーキャピタリストを中心に、中国の投資企業であるTDF Capitalと組んでKPCB Chinaを運営していく。当初の投資金は3億6,000万ドルで、投資分野としては、技術、インターネット、メディア、無線通信などのハイテク分野に加え、ヘルスケアや環境技術にも投資していくという。

ベンチャーキャピタリストとしては、Softbank Asia Infrastructure Fund (SAIF)の元パートナーであるJoe Zhou氏、TDF CapitalパートナーのTina Ju氏、David Su氏、Forrest Zhong氏の4人が中心となり、KPCB Chinaを率いる。

このうち、KPCB Chinaの共同設立者となっているZhou氏は、SAIFでオンラインゲームパブリッシャーのShanda Interactive Entertainmentなどの投資にかかわった人物で、2005年には中国の投資情報メディアTopCapitalにより「VC of the Year」に選ばれている。また、Ju氏は、TDF CapitalでAlibaba(米Yahoo!が出資する中国大手電子商取引サイト)、Baidu(Googleが出資する中国大手検索サイト)、無線通信企業China Netcomなどのベンチャーを育成してきた。

KPCBでは、Zhou氏とJu氏の起用について、「ベンチャーキャピタル事業は、関係のネットワークがものをいうサービスビジネスであるという哲学を共有している」と説明している。KPCBでは、今後1年の間にスタッフを増やしていくという。