米Salesforce.comは4月23日(現地時間)、同社アプリケーション実行プラットフォームの新版「Salesforce Platform Edition」を発表した。Platform Editionは、同社アプリケーション・ライブラリ「AppExchange」で提供されるアプリケーション群を実行させるための専用プラットフォーム。OS、DB、APIなど、Salesforceアプリケーションの実行に必要な環境がすべて提供されるため、サードパーティが自身のアプリケーションをPlatform Editionで組み、Salesforceのインフラを介してユーザーに提供することが可能になる。
現在Salesforce.comでは、同社の基本CRMアプリケーションのSalesforce、サードパーティがカスタムアプリケーションを配布するためのAppExchange、AppExchange上でカスタムアプリケーションを開発するための開発環境Apexを提供している。今回のPlatform Editionの提供により、AppExchangeとSalesforceが切り離された形となり、ユーザーはAppExchange上で提供されるカスタムアプリケーションをSalesforceなしで自由に実行できるようになる。サードパーティは自身の開発したアプリケーションをベースとなる実行環境との組み合わせで直接ユーザーに提供できるため、Salesforce.comのインフラを借りてSaaS(Software as a Service)を展開するサービス事業者として、新たなビジネスチャンス創出とプラットフォーム拡大のチャンスを得られる。
「Salesforce Platform Editionは、プラットフォームカンパニーであると同時に、アプリケーションカンパニーとしてのSalesforce.comの到来を告知するものとなる。Platform Editionにより、ユーザーはオンデマンド環境を自身のシステムの隅々へと簡単に拡張できる。またISVは、自身の開発したアプリケーションをPlatform Edition上でダイレクトに実行できる。最近の事例では、日本最大の金融機関である日本郵政公社がSalesforce Platformをベースにしたシステムを構築しており、さまざまな種類のクリティカルなアプリケーション群を今年末の郵政民営化に向けて展開していく計画だ」と米Salesforce.com CEOのMarc Benioff氏は説明する。
今回のPlatform Editionで提供されるのは、Salesforce ODOS (On-Demand Operating System)、Salesforce DB、Salesforce API、Salesforce Builder、Salesforce Code、Salesforce Analyticsなど、実行インフラと開発ツールが中心となる。Salesfoce.comがインフラ管理やOS、関連ツールの提供までをすべて面倒みるサービス事業者として機能し、ユーザーやサードパーティはこのインフラを活用して自身のシステムを構築する。