NECは23日、NGN(Next Generation Network)時代を見据えたシステム構築/コンサルティングサービス「サービスプラットフォームソリューション(以下、サービスPFソリューション)」を発表した。同ソリューションは、NECがこれまでの事例で培ったミッションクリティカルシステムに関するノウハウやIT/ネットワーク技術などを体系化し、"ネットワークを活用したサービス"の構築サポート体制を固めようというもの。同社が保有する各種のミドルウェアを整理したうえで、ビジネスコンサルティングやシステムコンサルティングの分野も強化し、NGNの実用化を契機に拡大すると見られるネットワークサービス市場の対応に本腰を入れる構えだ。
NEC 取締役 執行役員専務 相澤正俊氏 |
NEC 執行役員 富山卓二氏 |
サービスPFソリューションの投入には、「ここ数年でITシステムの役割が大きく変わってきたことが影響している」(NEC 取締役 執行役員専務の相澤正俊氏)という。1990年代中盤まで業務処理の効率化を目的としたものが多かったITシステムは、次第にビジネスプロセス改革を推し進めるツールとしても利用されるようになり、現在ではサービスを実現するためのプラットフォームとして活用される機会が増えてきた。NGNの実用化がスタートすれば、この傾向は一層色濃くなると予想される。そうした状況に対応するためのソリューションがサービスPFソリューションになる。
NEC 執行役員の富山卓二氏は、サービスPFソリューションについて「システムモデル指向のアーキテクチャを採用する」と説明する。システムモデルとは、実装と切り離して作成したシステムの論理モデルのことだ。論理モデルの作成では、システム全体を処理単位(システムユニット)で分割する。そして、そのシステムユニットを柔軟に組み合わせられる環境を提供することで、多様な要望に応えられる体制を整えようというねらいだ。
こうした構想を実現するうえで重要な位置づけにあるのが同社のミドルウェアだ。サービスPFソリューションでは、NECが提供するさまざまなミドルウェアを「サービス実行基盤」「ユビキタスサービス」「情報管理サービス」「運用基盤」「仮想化」「ネットワークサービス」の6つの領域に分け、改めて体系化。それらを柔軟に組み合わせられるようにすることで、論理モデルから実装への展開をスムーズに行えるようにしている。
また、同ソリューションではコンサルティングサービスにも力を入れるという。システムの構築に際しては、ビジネスコンサルティングやシステムコンサルティングまで一貫してサポートすることを目指しており、3年後には100名のコンサルタントを準備する予定だ。
サービスPFソリューションのソリューション体系は、「PFマネージドサービス領域」「基本サービス領域」「アプリケーション領域」の3つに細分化される。これらのうちPFマネージドサービス領域は、サービスプロバイダ向けのIT/ネットワークインフラを担う部分で、自律型統合運用管理機能やストレージなどによって構成される。一方、基本サービス領域は、(業種にかかわらず)システム全般で共通する機能を提供する領域で、セキュリティ機能やコラボレーション機能などが該当する。そして、アプリケーションサービス領域は、システムの核となる機能を実現する領域で、業種特有のサービスを提供するアプリケーションが当てはまる。
NECではこれまで、サークルKサンクスやJR東日本、NTTドコモなど、さまざまな企業において各種サービスを支えるシステム開発案件を手がけてきた。サービスPFソリューションでは、そうした案件を通じて獲得した知見が生かされるという。今後は海外ベンダーと提携して日本以外でも事業を展開していく予定で、3年間で8,000億円の売り上げを見込んでいる。