ソニーの100%出資会社であるソニー白石セミコンダは23日、青紫色レーザの生産体制を月産170万個に強化したと発表した。現在、同社の青紫色半導体レーザはソニー製品を中心に、プレイステーション 3やBlu-ray Discプレーヤなどの光学ヘッド部に使われている。今回の体制強化により、今後は外部の企業にも販売を強化していくという。
同社の青紫色半導体レーザは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)製のプレイステーション 3(PS3)にも使われている。しかし当初の計画よりも青紫色半導体レーザの量産が遅れたため、SCEIではPS3の初期出荷台数を当初の予定よりも大幅減らし、PAL圏である欧州などでの発売を昨年11月から本年3月に延期するなど、影響が出ていた。
今回の発表によると、ソニー白石セミコンダの青紫色半導体レーザ(完成品)の生産能力は本年(2007年)4月現在で月産170万個に達しているという。また製造の前工程となるレーザチップまでのウェハ工程においては、再生用1波長青紫色半導体レーザの完成品換算ですでに月産500万個を生産できる設備が整っているとのこと。さらに本年11月には240mWと高出力な青紫色半導体レーザの量産も開始する予定。この生産体制の強化に伴い、今後はソニーグループ以外の企業にも青紫色半導体レーザを積極的に販売していくという。
同社では、1986年に半導体レーザの生産を開始している。本年3月末には、赤外、赤色、青色、カプラ系を含む半導体レーザの出荷数が累計で20億個を突破した。