業務アプリケーションベンダ大手の独SAPは20日(現地時間)、2007年第1四半期(1月-3月期)の暫定決算報告書を発表した。同期、売上高は前年同期比6%増の21億6,600万ユーロ、純利益は同10%増の3億1,000万ユーロとなり、増益増収となった。
SAPの第1四半期の売上高は前年同期比6%増の21億6600万ユーロとなった。コンサルティングなどを含むソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス全体の売上高は、前年同期比9%増の15億1900万ユーロ。ライセンス収入などソフトウェアの売上高は、前年同期の5億1,400万ユーロから10%増え、5億6,300万ユーロとなった。
純利益は、前年同期比10%増の3億1,000万ユーロ、1株あたり利益は0.26ユーロとなった。営業利益は、前年同期比6%増の4億3,300万ユーロ、営業利益率は20%。英Reutersによると、市場アナリストの予想を集計した予測値を下回ったという。
地域別には、ライバルの米Oracleが強いアメリカ地域の売上高が5%増となるなど、EMEA、アメリカ、アジア太平洋の各地域で売上高を伸ばした。SAPでは、コアエンタープライズアプリケーションにおけるシェアは同期25.1%となり、前四半期から0.6ポイント増加したとしている。
このように、概して好調に終わった理由について、SAPでは主力製品「SAP ERP」とミドルウェアプラットフォーム「SAP NetWeaver」の売り上げ増にあるとしている。同社のCEO、Henning Kagermann氏によると、第1四半期末現在のSAP ERPユーザー数は同期比22%増の8,500以上となり、SAP NetWeaverの売り上げは前年同期比40%以上増加して1億5,600万ユーロに達したという。SAPでは今後、SAP ERPおよびNetWeaverに対応するすべてのSAP Business Suiteを年内に出荷する計画で、このロードマップも計画通りに進んでいるという。
SAPでは、2007年度通年のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売り上げ見通しについて、前年比12~14%の増加となる見込みとしている。同社は現在、Oracleや米Microsoftと同様に中小規模市場へのプッシュを強めているが、今後同市場への事業構築に3~4億ユーロを投資することも明らかにしている。中規模市場では第1四半期中、この市場に向けたソリューションとして「SAP All-in-One」を発表している。