携帯電話事業を展開している英Sony Ericssonは20日(現地時間)、2007年度第1四半期(1-3月期)の業績報告書を発表した。この発表によると、同社は2007年度第1四半期に2180万台の携帯電話を出荷し、前年同期の出荷台数(1330万台)に比べて67%増となった。売上高は同47%増の29億2500万ユーロ、税引き前利益は3億6200万ユーロ、純利益は2億5400万ユーロにも上った。なお、携帯電話の平均販売価格(ASP)は134ユーロだった。

同社は前四半期にあたる2006年第4四半期に過去最高の出荷台数や売上高を記録するなど、業績を順調に推移させており、今期もそれを維持した結果となった。同社によると、市場シェアは前年同期から2ポイント上昇し、8%以上になったとしている。同社のCEOであるMiles Flint氏は2月、スペインで開催された「3GSM World Congress 2007」で、目標を「トップ3入り」と述べていた。

英Sony EricssonのCEO、Miles Flint氏 - 目標は「トップ3入り」

今期、同社はローエンドおよびミッドレンジにあたる「W300」「W200」、ハイエンドの「W880」などのWalkmanブランドの携帯電話を発表し、音楽携帯電話のラインナップを拡充させた。これが売り上げに貢献したという。さらには、親会社であるソニーのデジタルカメラのブランド「Cyber-Shot」の名を冠したカメラ付き携帯電話を2機種、同社初のHSDPA端末「Z750」を北米市場に向けて発表するなど、製品ポートフォリオを拡大した。これが、市場シェア拡大につながったとしている。

同社は同期、インドでの製造計画や、フランスの通信機器メーカであるSagem CommunicationとのODM契約など、エントリレベルの拡充を図る発表を行っている。

調査会社の米IDCによると、2006年の世界の携帯電話市場のメーカ別シェア(出荷台数ベース)で、Sony Ericssonは韓国LG電子を抑えて4位に着いている。

一方、前日の19日に第1四半期の業績報告を行った最大手のNokia(フィンランド)は、増収減益となった。Nokiaは同期、前年同期比4%増の98億5600万ユーロを売り上げ、純利益は同7%減の9億7900万ユーロとなった。携帯電話の出荷台数は前年同期比21%増の9110万台で、Nokiaでは推定市場シェアを36%としている。

2番手の米Motorolaは苦戦を強いられているようだ。第1四半期、同社の売上高は前年同期比1.8%減の94億3300万ドルとなり、純損失は1億8100万ドル。同期、4540万台の携帯電話を出荷したという。