日本オラクルは19日、同社のBI製品の最新版である「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10g Release 3」の出荷を開始したことを発表した。同製品に実装された新機能は実に200以上、BIスイートとしての性能および拡張性が大幅に強化された新製品として市場にインパクトを与えそうだ。また同時にデータ統合ソフト「Oracle Data Integrator」の出荷も開始、強化した製品ラインナップでもって、2007年中にBI市場"No.1"の獲得を狙う。
「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10g Release 3」(以下、Oracle BI Suite EE)は、同社の「Oracle Fusion Middleware」製品群に属し、Fusion Middlewareをはじめとする他のオラクル製品との連携が強化されているほか、オラクル以外のデータソース(Teradata、SQL Server、DB2、MySQLなど)もサポートするという特徴をもつ。これにより、企業統合や組織再編などに伴って生じる異種混合環境においても、速やかに経営の可視化が実現されるという。
また同製品は、データベースの専門知識をもたないユーザでも抵抗なく利用できるように設計されており、ドラッグ&ドロップやマウスクリックなどの簡単な操作で分析を行うことが可能。複数の異なるデータソースのデータを扱う場合でも、統一されたインタフェースが提供されているので、ユーザはソースの違いを気にする必要がない。
Oracle BI Suite EEおよびOracle Data Integratorは、日本オラクルが19日に都内で開催したイベント「Oracle BI Day」にて発表された。同社の常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「(BI Dayについては)とくに大きな宣伝を行っていないにも拘らず、予想を大きく上回る来場者数となった。これはBIに対する期待/需要が高まっている表れ」とした上で、さらに市場を拡大するためにも「パートナーエンジニアの育成が重要」という。同社がかねてより公言している「2007年にBI市場でNo.1を獲得」という目標の実現とあわせ、「今年中にパートナーモデルを確立し、2007年度末までに100名、2008年度末までに500名のBIパートナーエンジニアを育成したい」と語る。
米Oracleは3月1日に大手BIベンダの米Hyperion Solutionsを買収し、一部ではOracleによる市場の寡占化を危惧する声もある。この買収が同社のBI戦略に及ぼす影響については、「現在は何も答えることができない」(三澤氏)という。