米IBMと米Yahooのコラボレーションで誕生した無料のエンタープライズ検索ソリューション「IBM OmniFind Yahoo! Edition」だが、この度、多言語対応が完了し、日本語を含む世界の全15言語に向けてリリースされた。
IBM OmniFind Yahoo! Editionは、IBMの検索ソフトウェアOmniFindと、Yahooのインターネット検索技術を組み合わせた製品で、主に小規模なシステム環境を対象に無償で提供されている。小規模向けとはいいつつもサーバ1台につき最大50万ドキュメント、200種類以上のファイルタイプをサポートし、中小企業や大企業の部門ネットワーク程度であれば十分に実用可能なレベルの機能を備えている。
IBMによれば、昨年2006年12月のOmniFind Yahoo! Editionの最初のリリース以来、合計で1万6,000以上のユーザーがダウンロードしており、中小規模から大企業まで、業種も製造業からコンサルティング、金融サービス、大学、政府機関まであらゆる組織がフリー版を利用しているという。また、一部にはすでに上位版のOmniFindの導入を検討し始めているところもあり、「フリーの試用版を提供して販売機会をつかむ」というスターターエディションとしてのOmniFind Yahoo! Edition提供の試みは一応の成功をみたこととなる。
今回、IBMより4月16日(現地時間)に発表されたのは「OmniFind Yahoo! Edition」の新版にあたり、従来の英語に加え、新たにポルトガル語(ポルトガル/ブラジル)、中国語(簡体字/繁体字)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、スペイン語、オランダ語、ハンガリー語、ポーランド語、スウェーデン語の言語サポートが加えられた点が最大の特徴となる。また、検索ツールやユーザビリティも改良されており、従来版を利用するユーザーにも新たなメリットが提供される。
従来版よりOmniFind Yahoo! Editionでは、わずか数クリックでインストールが完了するという導入の手軽さが1つのメリットとなっている。企業向け検索ソリューションとしてはGoogle Search Applianceなどがあるが、やはりその特徴も手軽に導入できる点にある。検索ソリューションの便利さは多くの人が認めるところではあるが、導入の簡便さと無料という2つの特典を並べて導入までの敷居を下げたことにOmniFind Yahoo! Editionの功績があるといえる。