15日(米国時間)、ラスベガスで開催されている2007 National Association of Broadcasters conference(NAB2007)において、Microsoftは次世代のメディア体験とリッチ・インターネット・アプリケーションの基盤となるプラットフォーム、Microsoft Silverlightの発表を行った。これは以前Windows Presentation Foundation Everywhere (WPF/E)と呼ばれていた製品であり、既存のWebテクノロジーを最大限活用して高品質のメディア配信を行えるようにするのが目的である。
Silverlightプラットフォームの中核を担うのは、クロスプラットフォームで、複数のブラウザ向けに利用できるブラウザ用プラグインである。対応プラットフォームはWindowsとMac OS X、対応ブラウザはInternet Explorer、Firefox、Safariを予定している。
Silverlightの狙いは、Adobe Flashと対等に戦えるWebプラットフォームを提供することだ。実際Silverlightが狙いとしているデザイナと開発者の協業、リッチなUIの実現などはAdobe Flash(とその派生技術であるFlex、Apolloなど)の得意とする分野とそのまま重なる。FlashがSWFというファイル形式を用いるのに対し、Silverlightは、メディアファイル形式として一般的なWindows Media Videoフォーマット(WMV)を利用する。同ファイル形式を用いることにより、PCのみならずモバイル機器からも、高画質な動画をフルスクリーンで視聴したり、インタラクティブなコンテンツを利用できるようにするのがSilverlightの狙いだ。
また、プログラミングに.NETフレームワークを使用できるのも大きな魅力だ。すでに世界中で多くの開発者が.NETプログラミングに親しんでいるため、新しい言語や開発環境を学習するコストが劇的に低いという。開発者とデザイナの分業体制については、開発者は今まで通りVisual Studioを、デザイナはMicrosoft Expression Studioを利用して開発を行うことが期待されている。
Akamai TechnologiesやBrightcoveなど複数の企業が、すでにSilverlightのサポートを表明している。