網盛科技がこのほど、ビジネスポータルサイトをベースとした、Eコマースポータルサイトとサーチエンジンの統合プラットフォーム「生意宝(ビジネスの宝物という意味)」を正式にリリースした。網盛科技は深セン株式取引所に上場した初のインターネット企業で、傘下には「中国化工網(中国化学工業ポータルサイト)」、「中国紡績網(中国紡績工業ポータルサイト)」、「医薬網(医薬ポータルサイト)」などの有力産業ポータルサイトがある。
生意宝設立の主旨は、網盛科技の成功体験を生かしながら、提携産業ポータルサイトとのWin-Win関係を樹立していくこと。生意宝は、同サイトに参加する企業に対して、利潤額などのエントリー条件を設けず、経営チームの実力を最重視していくという。また、パートナーとして選定した企業に対しては、網盛科技が株式取得などを通して資金を投入するほか、技術、コンテンツ、ブランドプロモーションなどのサポートも提供する。業界関係者によれば、すでに数百の産業ポータルサイトが生意宝に強い関心を寄せているという。
今回のプレスリリースに先立ち、網盛科技は今年2月、100のパートナー・ポータルサイトを厳選し、中国化工網のようなリーティング産業ポータルサイトに育成していく旨を明らかにしていた。そのわずか一カ月後、阿里巴巴が、今後数カ月のうちに国内の優れた産業ポータルサイトとの間で、「全面的かつハイレベルの提携」を展開すると公表した。網盛科技と阿里巴巴は、産業ポータルサイト領域で真正面から衝突する構図になったわけだ。
いまのところ、ソリューションの成熟度と応用性が共に高いため、網盛科技が阿里巴巴より有利との見方がある。確かに網盛科技自身が産業ポータルサイトから成長してきたという優勢もあり、過去10年間に中国化工網などの中国国内トップレベルのポータルサイト運営で成功している。一方の阿里巴巴は、総合Eコマースサイトで明らかな優位を保っているが、ポータルサイトでは新規参入組だ。
網盛科技と阿里巴巴は異なるアドバンテージ、経営戦略とプロフィットモデルを持っているため、産業ポータルサイト領域でどちらがリードするかについての予測は難しい。これから激化必至の競争が、中国のB2B市場、産業ポータルサイトなどに大きな影響を与えることだけは間違いないだろう。