米Microsoftは12日(現地時間)、同社の仮想化(バーチャライゼーション)製品の提供スケジュールをアップデートした。これは同社の仮想化技術部門ゼネラルマネージャのMike Neil氏がブログ上に公開したエントリで明らかにしたもので、Microsoftの次世代仮想化プラットフォーム「Windows Server Virtualization(開発コード名:Viridian)」のパブリックベータ版ならびに「Virtual Server 2005 R2 service pack 1」の提供時期が、当初予定より遅い2007年後半ならびに2007年第2四半期へと延期されるという。その理由として同氏は「64-wayシステムのサポートなどスケーラビリティの向上のほか、Windows "Longhorn" Serverなどの新OS群のサポート」などを挙げている。
Windows Server Virtualizationのパブリックベータ版は、当初2007年前半予定だったものが2007年後半へ、Virtual Server 2005 R2 service pack 1は2007年第1四半期だったものが同年第2四半期へと延期されている。同氏によれば、Virtual Server 2005 R2 SP1は今月4月末にもRelease Candidate(RC)に昇格する見込みで、現行のベータ2版を置き換えることになる。
今回のリリース遅れは、次世代サーバプラットフォームのWindows "Longhorn" Serverに関連したものとなる。"Longhorn" Serverはベータ3版が2007年前半、RTM版が2007年後半と当初のスケジュール通りでのリリースを予定している。だが、Virtual Server 2005 R2では従来のOSに加え、新たにSUSE Linux Enterprise Server 10、Solaris 10、そして"Longhorn" ServerのCTP版をサポート対象に加えるように計画しており、調整のためのスケジュール遅延が発生したものと思われる。またWindows Server Virtualizationのリリースは、"Longhorn" Serverのリリースから180日以内に行われる予定だという。
またスケジュール遅延の他の理由として、スケーラビリティ向上が図られている点も挙げられる。Windows Server Virtualizationでは、64ビットプロセッサ同時サポート、プロセッサやメモリ、I/Oリソースの動作中での変更など、スケーラビリティの面で改良が加えられている。Neil氏によれば、とくに64ビットプロセッサ同時サポートは競合他社製品と比較して、初の試みとなるという。このほか、Virtual Server 2005 R2 SP1でもスケーラビリティの向上が図られており、32ビットのシステムで最大64バーチャルマシン(VM)、64ビットのシステムで最大512VMをそれぞれサポート。さらに256GBメモリサポートや対応コア数の拡張などが図られている。