BEA Systemsの設立は1995年。NovellからTuxedoを買収しての誕生だった。そして1998年には買収によってWebLogic Serverを入手、J2EE・ミドルウェアのベンダとして存在感を強めてきた。ここまでの同社はひたすら「パフォーマンスと信頼性」を指向していた。
このあとJ2EEはコモディティ化し、オープンソースやOracleをはじめとするベンダが、強力なライバルとして台頭する。そこでBEAはもうひとつの柱にSOA(Liquid Data)を据え、AquaLogicを中心とした"Liquid"な戦略を取り入れる。つまり「迅速さと柔軟性」だ。
そして昨年末、"BEAWorld 2006 Beijing"において、それまで"Bare Metal"のコードで呼ばれていた「WebLogic Server Virtual Edition」が正式に発表された。"Hypervisor Virtualization"と呼ばれる仮想化環境の上で、OSを介さずにアプリケーションサーバを動かすもの。同社のJava Virtual Machine (JVM)であるJRockitを仮想化環境向けにカスタマイズした"Liquid VM"をVMware ESX Server hypervisor上で稼働、このVMのうえで専用のWebLogic Serverを稼働させる。「パフォーマンスと信頼性」のあくなき追求を続けてきたWebLogicが本格的に「柔軟性」を取り込み始めたわけだ。
前置きが長くなったが、本稿では同社の仮想化戦略をSOAの観点から見てみようと思う。