日本ヒューレット・パッカードは12日、AMDプロセッサ(Athlon/Opteron)搭載のタワー型サーバ「HP ProLiant ML115」の発売開始を発表した。出荷開始は17日から。同社としては初となるAMD搭載のタワー型サーバであり、「高い価格性能比と"Made in Tokyo"のクォリティ」(同社)でもってSMB(中小/中堅企業)市場への進出を図る。

HP ProLiant ML115は、シングルコアのAMD Athlon 64プロセッサまたはデュアルコアのAMD Opteron 1000シリーズ(1.8GHz/1210または2.4GHz/1216)を搭載したPCサイズのタワー型サーバ。「(最小構成で)3万円台という低価格ながら、ダイレクトコネクトアーキテクチャやHyperTransportテクノロジなど、AMDのアドバンテージとも言えるアーキテクチャにより高い処理性能を実現」(橘一徳氏: 同社エンタープライズストレージサーバ統括本部 インダストリスタンダードサーバ製品本部 プロダクトマーケティング部 部長)したという。

同製品は中小/中堅企業や教育機関などを主な顧客ターゲットとしており、導入しやすい価格もさることながら、小規模なオフィスのデスク脇にも置けるコンパクトな筐体、HDDベイ、メモリスロット、I/Oスロットをそれぞれ4つ、メディアベイを2つ備えた拡張性など、SMB市場向けの配慮が随所に見られる構成となっている。同社は同製品でもって「エントリタワーサーバ市場で20%のシェアを狙いたい」(橘氏)という。

ProLiant ML115のサイズは175×426×367[mm]、重さは10.5kg。デスクの上にも下にも置けるコンパクトさが特徴

その他、競合他社製品と比べての優位性について、同社は

  • 遠隔管理を可能にする「Lights-Out 100c」(オプション)
  • 顧客の要望に応じた完全カスタム仕様ながら最短5営業日でのスピード納品
  • 同社昭島事業所で組み立てる"MADE IN TOKYO"

などを挙げている。なかでもLights-Out 100cは、仮想KVMやリモート操作によるサーバのON/OFFはもちろん、CDやFDなどのメディアをリモートでサーバにマウント可能(仮想メディア)など、さまざまな機能を備えており、管理者がオフィスに不在でもひととおりのサーバ管理が行える。また、ProLiantシリーズは2006年6月から同社が掲げる"MADE IN TOKYO"の対象製品として国内生産が開始されており、ML115も100%、同社昭島事業所で組み立てられる。同社は「顧客の要望に応じた構成で、最短スピードでお届けできる」(橘氏)と、供給体制にも自信を覗かせる。

Lights-Out 100cのデモ。ノートPCから読み込んだフロッピーディスクをサーバ上でマウントしている。サーバ電源のON/OFFもリモートから可能

価格はAthlon 64搭載タイプが3万9,900円から、Opteron 1210搭載タイプが5万9,850円から、Opteron 1216搭載タイプが8万2,950円から。オプションのLights-Out 100cは2万7,300円。販売はHP DirectPlusおよびダイレクトパートナー経由で行われる。