韓国で「プレステ女王」と呼ばれていた人物が、警察に拘束された。
釜山地方警察庁はソフトウェアを不法に複製・流通させていた疑いで、これを販売していた2人を拘束し、サーバを管理していた6人を非拘束立件したことを発表した。
彼らはPlayStation向けタイトルをはじめとして、Microsoft製品、ポルノ映像、その他各種ソフトウェアを、「韓国内最大規模」(釜山地方警察庁)の複製施設やFTPサーバを通じて流通させていたという。彼らがオンライン上で利用したニックネームは「プレステ女王」。実際の被疑者らは男性だったが、そのインパクトのある名称と豊富なデータ量でネティズンの間でも有名だった。
彼らは2004年にソフトウェアの複製を販売しようとたくらみ、ソウルと、韓国南西部にある光州市にFTPサーバを設置した。サーバは姓名不詳の中国人と被疑者が、中国およびソウル郊外にある仁川市で遠隔操作しながら運用。複製したソフトウェアを100人以上の会員と共有していた。さらに、ここで共有されていたソフトウェアは、韓国有数のWebストレージ20カ所でも流通していたという。
これと同時に、ソウルと韓国南東部にある浦項市のワンルームアパートにソフトウェアの複製設備を設置。正規品と同じように作り上げた違法な複製品約11万個を製造していた。また、この複製品の販売網も構築し、全国の数千人に対して販売していたという。
こうして違法に複製されたソフトウェアを売りさばくことで、彼らは約5億ウォン(約6,400万円)を不当に売り上げていた。釜山地方警察署によると、これが正規品であれば、約100億ウォン(約12億8,000万円)もの利益に相当する金額だ。
警察では違法ソフトウェアの販売や、サーバ管理にかかわっていた8人だけでなく、FTPサーバに接続してソフトウェアを流通させていた100人以上の会員についても、今後調査していく予定だ。
オン/オフラインともに違法複製品マーケットが存在する韓国。この恩恵を受けている人がけっして少なくないことは、今回の被疑者たちが売り上げた額を見れば一目瞭然だ。
現実を反映するかのようにネティズンの反応も複雑で「つかまって良かった」とする人がいる一方、「この中で複製を使ってない人はいったいどれほどいるのか」と疑問を投げかける声、「正規品が高すぎる」と高価格を嘆く声など、さまざまな反応がある。ネティズンたちが意見を書き連ねていく過程は、複製品に関する議論に発展し、ポータルサイトの人気検索語ランキングでも一時上位に位置するほど注目を浴びるニュースとなった。