米Hewlett-Packard(HP)は10日(現地時間)、中小企業(SMB)向けのストレージ新製品「HP StorageWorks 1200 All-in-One Storage System(HP AiO1200)」を発表した。HP AiO1200は十分な管理リソースを持たないSMB向けに使いやすさを重視して設計された製品であり、管理ツールとの組み合わせで簡単にセットアップや管理が行える点が特徴。またHPでは同日、新たに2人の人物をSMB関連部門幹部に任命したほか、SMB市場のてこ入れに向けた支援策も発表している。
HP AiO1200は、既存のHP AiOシリーズの最新製品。2Uラックの筐体に12のドライブスロットを持ち、HDDオプションの組み合わせで最大9TBと同シリーズ中最大のストレージ容量を誇る。内蔵する「All-in-One Storage Manager」の機能により、SATA(Serial ATA)ドライブとSAS(Serial-Attached SCSI)を混成して使用することができる。Windows Storage Server 2003 R2の搭載でNASとしての利用のほか、Microsoft iSCSI Software TargetによるiSCSI-SANとしての利用も可能。
またユーザーはAll-in-One Storage Managerを使うことでHP AiO製品だけでなく、自身の保有するストレージ資産全体を管理することが可能になる。だが同管理ツール最大の特徴はセットアップやデータ移行を容易にするウィザードの存在で、サーバに直結されたDAS(Direct Attach Storage)上のMicrosoft Exchange 2007のデータを10クリック以下でNASやSANに移し替えることができるなど、既存環境への導入に際して技術スキルをそれほど必要としないメリットがある。
近年、HPはSMB向けの製品ライン強化に力を入れているが、HP AiO1200は2007年に同社がリリースした4番目のSMB向け製品となる。リリースに際してはMicrosoftをはじめとするソフトウェアベンダ各社との提携を強化したほか、ソリューション別コンフィグレーションの充実、販売チャネル強化、導入支援プログラムの「Simply StorageWorks and ProLiant Business Advantage」などが提供される。