The Linux Foundationは9日(米国時間)、Linuxディストリビューションの標準仕様「The Linux Standard Base(LSB) 3.1」の仕様をアップデート、新しいテストツールとともに公開した。LSBの仕様書とテストツールは、同団体のWebサイト経由で入手可能。
今回リリースされたLSB 3.1では、新たに「LSB Distribution Testkit」(LSB DTK)を提供。ロシア科学アカデミーの協力を得て開発されたこのツールは、LSBへの対応状況を確認する「LSB Test Framework」の一環として開発されたもので、各Linuxディストリビューション間におけるアプリケーションの互換性を検証する機能を持つ。同じく同梱された「LSB Application Testkit」は、自社製品がLSBの定める仕様を満たすかどうか確認したい独立系ソフトベンダ向け。
LSBは、ディストリビューション間の互換性維持を目的に制定されたLinuxの標準仕様。主要APIの基本セットとライブラリの標準型を提示することにより、独立系ベンダーのLinux用ソフトウエア開発への参入を容易にする効果のもと整備が進められた。現行バージョンのLSB 3.1は、Red HatやNovellなど多くのLinuxベンダに批准され、Linuxの標準仕様として採用されている。かつてLSBはFree Standards Group(FSG)が管理していたが、1月に行われたFSGとOpen Source Development Labs(OSDL)との統合により、標準化作業はLinux Foundationに引き継がれている。