セイコーエプソンは10日、3カ国語に対応した音声合成LSI「S1V30120」を開発したと発表した。テキストデータを音声データに変換し、それを内蔵のD-Aコンバータを通して出力するもの。テキストデータを音声データに変換するTTS(Text to speech)技術には、米Fonixの開発したDECtalk Ver5を搭載している。OA分野や産業用途など、音声による製品ガイドを必要とする組み込み機器での利用を想定している。

対応する言語は、米英語、スペイン語、中南米スペイン語の3カ国語である。音声CODECには、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)を採用している。あらかじめ録音された9種類のADCPMによる定型音声と、テキストデータから変換したの音声データを組み合わせて使用することもできる。例えば、特定部分の文章はADCPM、他の文章をテキストデータからの音声合成データを再生するといった使い方ができる。

変換された音声データは、内蔵のD-Aコンバータを通して、16ビットのオーディオデータとして出力される。入力クロックは32kHz。音声合成時のサンプリング周波数は11.025kHz。サンプリング周波数は8kHzと16kHzである。ビットレートは、24/32/40/48/64/80Kbps。デジタルボリュームコントロール機能を内蔵している。また、クロック同期式シリアルインタフェースを採用しているため、さまざまなホスト機器やマイクロコントローラと組み合わせたシステムを構築できる。

パッケージは、64ピンのTQFP(外形寸法10×10×1.2mm)。内部電圧は1.8V、出力電圧は3.3V。なお、本LSIのプロセッサコアには、ARMコアを用いている。