Debian Projectは8日(米国時間)、コード名「etch」として開発が続けられてきたLinux OSの新バージョン「Debian GNU/Linux 4.0」を正式にリリースした。Intel x86/IA-64やPowerPCなど11種のCPUアーキテクチャに対応、58種の言語に対応するインストールイメージはWebサイトやBittorrent経由で配布される。
今回のリリースは、バージョン3.0(woody)から数えて約4年9カ月、バージョン3.1(sarge)からは約1年10カ月ぶりのメジャーアップデート。カーネルはすべてのアーキテクチャで2.6系(v2.6.18)への移行を完了、標準Cライブラリがglibc-2.3.6ベースに、開発環境がGCC 4.1ベースに変更された。
ディストリビューションとしての内容も一新、6,500の新パッケージを加えた総計18,200を超えるパッケージ群で構成される。ウインドウシステムにはXFree86に代わりX.org 7.1が、統合デスクトップ環境にはGnome 2.1.4とKDE 3.5.5aが採用された。OpenOffice.org 2.0.4aやGimp 2.2.13、Firefox 2.0.0.3相当のIceWeasel、Thunderbird 1.5相当のIceDoveなど、最新のオープンソースソフトウェアも収録されている。
Debian GNU/Linuxは、Linuxカーネルを中心に多数のオープンソースソフトウェアから構成されるLinuxディストリビューション。GNU Projectの成果物も基本ツールに多く含まれることから、名称に「GNU/Linux」が加えられている。現在では、UbuntuやKNNOPIXなど、Debianのコードベースを利用した派生ディストリビューションも登場している。