XMLデータベースなどビジネス統合技術を開発・提供する独Software AGは5日(現地時間)、システムインテグレーションツールの米webMethodsを買収することで合意に至ったことを発表した。買収金額は約5億4,600万ドルで、取引は現金により行う。Software AGは先日、成長戦略を打ち出したところで、今回のwebMethods買収により、SOAとBPM(ビジネスプロセスマネジメント)のポートフォリオを強化する狙いだ。

この買収では、Software AGはwebMethodsの株式1株に対し9.15ドルを支払う。買収金額は約5億4,600万ドルとなり、すでに両社の取締役会の承認を受けているという。

Software AGはSOA、ビジネスアプリケーション開発、BPM、データマネジメント、SAP向けレガシー統合、レガシーモダニゼーションなどの事業分野を持っており、欧州最大のシステムソフトウェアを標榜している。webMethodsはビジネスプロセスインテグレーション専業ベンダーで、同じくSOAとBPMなどに注力している。

Software AGではwebMethods買収により、SOAとBPMの製品ポートフォリオの拡大を狙う。具体的には、SOAガバナンス、BPM・ビジネスアクティビティモニタリング、アプリケーション統合などの分野を強化できるとしている。

もう一つの狙いが、展開地域だ。北米市場に強いwebMethodsを獲得することで、自社の米国市場でのプレゼンスを強化する。Software AGによると、顧客のオーバーラップは少なく、買収後、顧客数は世界4,000以上に、パートナー数は100以上となるとしている。業種としては、金融サービス、製造業、公共分野に特に強いという。

今回のwebMethods買収は、Software AGの成長戦略の一環として行われることになる。同社は今年2月に成長戦略を発表、今後5年間で売上高を倍増し、年商10億ユーロ企業を目指すとしていた。成長戦略の柱として、ブランディングと企業吸収合併(M&A)の2つを挙げており、ブランディングとしてはSOAベンダーとしてブランドリニューアルを図っている。

買収は規制当局の承認を得て、今年第2四半期中(6月)に完了を見込む。

SOA、BPM、ビジネスインテグレーション分野は、米TIBCO Softwareなどの専業ベンダーのほか、米Oracle、米IBMなどのミドルウェア企業も進出している。