フィンランドのNokiaと独Siemensが合弁で立ち上げたネットワーク事業合弁会社Nokia Siemens Netoworksは2日、4月1日より正式に事業を開始したことを発表した。同社は、無線ネットワークでは世界第2位、有線では同3位の通信インフラベンダとなり、「目標はナンバー1」と意気込みを見せている。

Nokia Siemens Networksは、NokiaとSiemensが出資比率50%と50%で立ち上げた合弁会社。Nokiaのあるフィンランド・ヘルシンキに本社を構え、各事業部の本拠地をフィンランドとドイツに分散させる。CEOには、Nokiaでネットワークス事業部トップを務めてきたSimon Beresford-Wilie氏が就任し、会長はNokiaのCEO、Olli-Pekka Kallasvuo氏が務める。取締役にはNokiaから4人、Siemensから3人の合計7人で構成され、新会社の業績報告はNokiaの財務報告書に含まれることになる。

事業部としては、無線アクセス、ブロードバンドアクセス、サービスコアとアプリケーション、IP/トランスポート、オペレーションサポートシステムの5つの製品分野別事業部、それにサービス事業となる。

NokiaとSiemensの2006年の売上高をベースとすると、新会社の売上高は171億ユーロ。世界150カ国に約600社の顧客を持つという。有線ネットワーク分野では、仏Alcatel-Lucent、スウェーデンのEricssonに次いで第3位、無線ネットワーク分野では、Ericssonに次いで第2位のベンダーとなる。

Beresford-Wilie氏は声明文の中で、新会社の目標を「ナンバー1になること」と述べている。「通信機能を実現するイネーブラーとしてのナンバー1企業、無線と有線通信をシームレスに接続するナンバー1企業、従業員にとって働きやすいナンバー1企業、最高水準の倫理と誠実さを持つナンバー1企業を目指す」(同)

同社のフォーカスは、合併によるシナジー効果、新興市場、研究開発など。合併によるコスト効果としては2010年まで年間15億ユーロを見込んでいるという。新興市場では、2015年までに5億人を常時接続状態にすることを目標とし、コスト効果の高いソリューションを提供していくとしている。研究開発では、同社の一部となる研究開発チームが、2006年に次世代無線ネットワーク技術のLTE(Long Term Evolution)のソリューションを世界で初めてデモしていることや、光技術を用いて伝送速度10Gbpsを達成したことなどを挙げている。

NokiaとSiemensがお互いのネットワーク事業を合体して合弁会社を立ち上げる計画を発表したのは2006年6月のことだ。当初、新会社の立ち上げは2007年1月としていたが、Siemensの汚職事件調査などを受けて、発足が遅れた。