フィンランドのNokiaと独Siemensは3月14日、合併作業を進めてきたネットワーク事業合弁会社「Nokia Siemens Networks」の運営を4月1日より開始することを発表した。2社が合弁会社立ち上げを発表したのが昨年6月、以来たびたびの延期となったが、やっと発足となる見通しだ。
NokiaとSiemensによると、新会社のコンプライアンスや管理プロセスについて合意したことを受け、4月1日より事業を開始するという。当初の予定通り、本社はNokiaの本拠地フィンランドに置き、Siemensの本拠地ドイツとフィンランドに分散して各事業部を構える。CEOには、Nokiaでネットワークス事業部を率いてきたSimon Beresford-Wilie氏が就任する。
2社がそれぞれのネットワーク事業を持ち寄り、出資比率50%-50%で合弁会社を立ち上げることを発表したのは、2006年6月のことだった。当時、ネットワーク大手の米Lucentと仏Alcatelが合併し、スウェーデンのEricssonが英Marconiの一部資産を買収するなど、通信ネットワーク分野に再編の波がきており、NokiaとSiemensも先手を打った。
だがその後、Siemensの汚職問題が明らかになり、新会社の発足を遅らせた。主として、政府の調査介入を受けていたSiemensのビジネスコンプライアンス評価を待っていたためだ。2社は当初、2006年末としていた新会社の発足時期を2006年11月に「2007年1月」と延期、その後12月に再度延期して「2007年第1四半期内」とした。2社は2007年2月、スペイン・バルセロナの「3GSM World Congress 2007」で初めてNokia Siemens Networksとしてブースを構えたが、この際のプレス発表会に登場したBeresford-Wilie氏は、発足時期は「3月中を見込む」と述べるにとどまった。
今回、2社は新会社のコンプライアンスプロセスとしてNokiaのものをベースとすることで合意、財務・管理部門の報告システムや内部管理プロセスを徹底させるとしている。このコンプライアンスプロセスはトレーニングプログラムを含むもので、政府向け事業や外部コンサルタントを取り込んだ営業プロセスに関する承認プロセスも策定した。汚職ゼロを目指し、対汚職ポリシーなども設定したという。
また、新会社の正式発足にあたり、Siemensは提供資産額を24億ユーロに増やし、Nokiaも17億ユーロに増やすことも発表している。当初、提供する資産額は各社16億ユーロずつとなっていた。
Nokia Siemens Networksは、年商約158億ユーロの巨大企業となり、無線ネットワークでは世界第2位、有線ネットワークでは世界第3位となる。世界トップレベルの研究開発を強みとし、コスト効果の高い製品・サービスを提供していくという。