こんにちは。吉政でございます。今回は、中高年の起業後に消えていく理由として、セルフブランディングを紹介します。
前回までのおさらいをされたい方は以下をご覧ください。
- 第1回「年金は×、健康寿命は伸びる。中高年が年収1千万円目指す起業とは」
- 第2回「定年後の起業で年収1千万円を稼ぐためのビジネスモデルを考える」
- 第3回「貧乏暇なしからの脱却~仕組みで利益を出す起業とは~」
- 第4回「中高年の起業はPython×自動化で間違いない」
ここまで、中高年の方が定年後に年収1千万円を目指すための考え方、そのビジネスモデルの例、収益力を高める方法、ビジネスモデルの例をについて説明してきました。第5回以降は、中高年の企業の失敗例を紹介していきます。
失敗例の第1回のテーマは疎かになりがちなセルフブランディングです。
多くの方が起業5年で消えていくのはなぜか
「良いサービスもできた、自信もある。さあ、いよいよ起業だ」と船出した後、多くの方が古くから付き合いがある人に声をかけて、そこから仕事をいただくことが多いと思います。
しかし、そのお客様はサラリーマンであることが多く、人事異動がつきものです。移動してしまうタイミングで契約が終了することもあります。また、お客様が同年代であることも多く、定年で退職されてしまうこともあります。さらに、大手企業では、業者との契約期間の上限があることも多く、5年や10年とまちまちですが、それ以上の契約継続ができないこともあります。
このように、いろいろな理由で、新規で営業ができなければ、お客様の数は減っていきます。起業したばかりの企業は規模が小さく、信頼もなければ、そもそも実力が知られていないことも多く、新規営業がかなり難しいのです。
つまり、起業後に消えていく大きな理由の一つが新規営業が確立されていないことなのです。ちなみに、起業後に消えていく理由の残りの2つは「PDCAがきれいに回っていないこと」「自滅」だと思っています。次回以降、この2つについては解説します。
新規営業で大切なことは「ブランディング」
多くの場合、中高年で起業をすると小規模になるため、新規受注の効率が悪いと、利益が激減するか、自身の減給になります。2、3件コンタクトして1件がすぐに受注するくらいでないと厳しいというのが正直な感想です。
「2、3件訪問して1件がすぐに受注とは、かなり難易度が高くないですか」と思う方もいるでしょう。一般的な企業の受注効率はそれほど高くないからです。
「2、3件訪問して1件すぐに受注できるような状態」とは、かなり確度が高い問い合わせを2、3件もらい、面会して受注するパターンしかないと個人的に思っています。一から提案をしているような状況では、効率が悪くてそこまでの受注率にはなりません。
自社のWebから多くの問い合わせを受け、順番待ちのお客様がいるような状態か、もしくは、提案したらすぐに受注できそうなお客様のストックを何件か持っていないと難しいと思います。
では、その状況を作るにはどうすれば良いかというと、「あの案件だったら、この企業が一番」というブランディングが出来ていることが前提になります。
セルフブランディングの主な施策
セルフブランディングの主な施策は以下だと考えています。
- セミナーの登壇を多く行う
- 月間のコラム連載数を多く行う
- 報道発表やニュース掲載を多く行う
- SNSのフォロワーを増やす
上記の施策の頻度について、明確な基準はありません。ちなみに、筆者は、以下のような頻度で取り組んでいます。
- セミナー登壇は年間20回ほど
- 月間のコラム連載数は23本
- 報道発表やニュース掲載は平均で月間約1本
- SNSのフォロワーはFacebook2500、X(旧Twitter)6000、Instagram 1100です。
結構多いなと思われると同時に、「私は吉政さんを知りませんでした」という方も多いでしょう。筆者はターゲットとするお客様候補の市場で知られればよいと考えています。上記のセルフブランディングがターゲット市場に向けられたものであれば、セルフブランディングは成功しやすいです。
以下は、筆者の名前が検索された回数の推移を示したものです。「Googleトレンド」でいろいろな名前を入れてみると分かりますが、個人名でグラフが出るだけでもそれなりの知名度である証拠になります。
そして、筆者の会社である吉政創成株式会社は本業である「マーケティングアウトソーシングサービス」で検索順位11位です(機械計測)。
大量に情報発信を行い、サービスカテゴリーで検索順位が上がると、セルフブランディングが成功し、お問い合わせも増えます。セルフブランディングがうまく行くと、その分野での代表的な企業になるため、受注角度も向上します。
興味がある方は、ぜひ試してみてください。