こんにちは。吉政でございます。連載「100歳まで現役労働に挑む男の話」の第1回は、自分自身が真剣に取り組んでいる高齢でも現役労働を続けるための話です。
かなり貯金しても収入がなければ、貯金が減っていく不安感の中で生きていかなければならず、やはりぎりぎりまで働いて収入が欲しいところです。そこで今回は、高齢者で収入を得るための方法と考え方を紹介します。以下では高齢者として雇用され続けるための一つの考え方と、起業して高収入を得る方法の考え方を解説します。
健康寿命はさらに15年延び、元気なのに仕事がない状態の可能性も
多くの国民が想像している通り、年金だけで老後を食べていくことはとても難しい状況になっています。あくまで平均値ですが、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金月額平均受給額は国民年金がおよそ5万6,000円、厚生年金がおよそ14万6,000円です。
賃貸住宅に住んでいる方は賃料を除いた金額で生活をしなければいけないので、生活が厳しくなりそうです。しかもこの金額は現時点のもので、今後、年金は高齢社会が継続する限り、破綻はしなくても、支給金額が減っていく可能性も十分考えられます。
そうなると、年金以外に稼ぎが必要になるという話になります。現在健康寿命は着々と伸びており、厚生労働省の2019年に発表した「平均寿命と健康寿命の推移」を見ると、現在の平均健康寿命は男性72歳、女性75歳ですが、5年で平均健康寿命は2.5歳延びています。このペースで進むと、20年後には平均労働寿命が82歳になります。そして30年後には87歳になります。
生活を考えると、健康寿命ぎりぎりまで働きたいものです。しかしながら現実を考えると、80歳を超えて労働するのはかなり狭き門になるように思えます。職人としての腕があれば食べていけるかもしれませんが、一般的に雇用される仕事は健康上のリスクもありますし、よく知らない人をその年齢で雇用することはあまりないでしょう。
可能性がありそうな高齢な仕事としては、以下の2つではないかと考えています。
- 独立して軌道に乗っている場合
- 長年雇われえて、オーナー経営者から信頼がある場合
健康寿命ギリギリまで働くための2つの手段
今、サラリーマンとして働いている人が、そのままその会社で健康寿命ギリギリまで働ける可能性はあまり高くないと感じています。今の上司や経営陣に厚い信頼があったとしても、その人たちがオーナーでないと、いつかは退職していきます。
そう考えると、オーナーから直接信頼を受けている状態でないと、高齢で労働できる可能性は高くないように思えるのです。大企業よりも中小企業で健康寿命ギリギリまで働いたほうが平均の生涯年収が高くなるような時代が来るかもしれません。
そして、起業です。もちろん起業して軌道に乗っていれば、食べていけるわけですが、オーナー経営者の企業に勤めていない人は、老後を考えて、どこかのタイミングで転職するか、副業等で新しい稼ぎ口の経験を積んだほうが、高齢者になった時に収入を確保できる可能性が高いでしょう。
幸い、今の時代は副業を許可している会社が増えてきているので、オーナー経営者の企業で信頼を得るにしても、起業するにしても、副業から始めるのが手っ取り早いと考えられます。
勤めている会社で稼ぎを確保しつつ、将来に備えて、副業を行うというわけです。本業以外に副業として稼げるノウハウを作れたら良いのかもしれませんが、時間も手間もかかるため、筆者は本業のノウハウを生かした副業が良いと考えています。
本業のノウハウを生かした副業とは?
基本的な考え方は、本業で得た情報を活用せずに自身の能力を生かして、本業の競合以外を対象に副業を実施することです。本業で得た情報とは、本業の機密情報や個人情報などの内部の情報です。これを活用した副業はNGです。
一方、文章力や営業力、技術力、プレゼン力などの能力は副業に生かしてOKです。多くの中高年が有している管理能力を副業で生かせる可能性はあるかもしれませんが、今のところ限りなく可能性は低いです。
管理業務は副業先の社員がやりたい分野なので、管理を外部に委託する可能性はあまり高くないです。仮にあったとしても、社外のたまにしか来ない人に管理されると社内から不満も出やすく、長く続かないでしょう。中高年の副業はとにかく長く続けて、信頼を蓄積していくことが大事です。
では、本業のノウハウを生かした副業の例を述べます。以下のパターンが継続しやすく、請け負いやすいパターンだと思います。
副業先のメインではないサブタスクをセルフPDCAで回すパターン
このパターンの副業はフルタイムで仕事ができないため、緊急対応が難しいです。副業先のメインの仕事を請け負うと、急ぎの対応も増えるでしょうし、対応できなくなることから顧客満足度が下がりやすく、結局続きにくいです。
狙い目は、お客様がやらなければいけないタスクだけど、メインではなく、手間回っていないタスクになります。このようなタスクを自分自身でPDCAを回すモデルを作ると、お客様からすると手離れが良く、報告と改善も見れて投資対効果も得やすいので、長く続きやすくなります。
チケット制の月額基本ありのサブスク型料金体系
このパターンは、筆者が実施している方法です。今では、サブスクが一般的な言葉になっていますが、サブスクが世の中に出るかなり前から、この方法をとっており、日経新聞からインタビューを受けたこともあるほど、効果的な方法だと考えています。
サブスクにするメリットは、お客様が年間で予算を計上してくれるので、契約が継続しやすくなることです。それにより、営業活動をほとんどしなくなります。営業活動は収益が上がらない空走期間なので、できるだけ営業行為にかける時間を減らすことで収益が出やすくなると考えています。
ちなみに、当社はこの方法でこの3年間営業をしたことがありません。つまり、業務時間を全て収益につながる活動に費やせているということです。
高齢者で年収1千万円を稼ぐ考え方
日本のサラリーマンの平均年収は、500万円を切っているレンジで推移しています。このような状況で年収1千万円を実現する方法なんて、怪しい方法でしかないと思われるかもしれませんが、以下の考え方を実践することで可能性が増します。
- 週1日で5万円稼げるビジネスモデルを前述のサブスクモデルで考える
- 上記を5社獲得する(月収100万円(年収1200万円)が出来上がります) 仕入れを極力なくした自分自身の労働でビジネスモデルを実現する
この方法において重要なポイントは、以下2点です。
- 個人副業や起業で、オフィスを借りたりなど、固定費が多くなると、競争力と収益が減ります。固定費をできるだけ抑える
- 競合のサービスの半額で2倍のサービスを考える
ターゲットとする分野の競合サービスはおそらく、それなりの体制で実施してるので、それなりの価格になっています。個人副業・起業の場合、少人数で実施しているので、実は半額で提供することは難しくないです。半額の標準価格で2倍のサービスを提供するのも倍働けばいいので、それほど難しくありません。
このように書くと貧乏暇なしになってしまうじゃないかって思われるかもしれませんが、一般的な企業はそれなりの金額で提供しているので、その半額2倍のサービスにしても、お客様のサブビジネスをセルフPDCAで回している場合、経験上、利益が出やすいです。
ここで重要なことは、実際に競合のサービスをイメージして、その半額に倍のサービスメニューを考えることです。企業の金額感と個人の金額感では10倍程度の差があるので、「意外に行ける!」と思えるはずです。
とはいえ、この方法はどの仕事でも実現できるわけではありません。製造業や飲食業など、物理的に何かを提供するサービスには不向きです。しかし、そもそも投資が伴うビジネスは高齢者の場合、お金を借りにくく不向きです。次回は具体的なビジネスモデルの作り方を解説します。
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今日の私の話は以上です。何かの参考になれば幸いです。それではこの辺で。