PDF生成エンジンは従来の改良版
ここ数年、PDFによる入校が徐々に浸透し始めている。PDFのメリットはなんと言っても1個のファイルを入校するだけで済むため、リンク画像の添付し忘れといったトラブルから解放されるほか、フォントを埋め込む事ができるため、出力機に関係なく自由にフォントを使える点にある。
しかし、以前の「QuarkXPress」の書き出すPDFはお世辞にも良い出来ではなく、トラブルが起きる事も多かった。そこで、今回はトラブルが起こりそうな状況を、あえて想定してPDFを作成してみる事にした。
まず、3.3形式で作られたドキュメントを開き(図1)、フォント等を修正。その後、プリフライトを行って問題が無いと確認してから、PDFの作成を行いAcrobatでチェックするという行程を試してみた。
プリフライト機能も充実している
今回のバージョンには「レイアウトの評価」という形で独自にルールを作ってプリフライトを行う機能が備わっている。早速、手直しした原稿をチェックしてみたところ、この時点では問題がない事が確認された(図2)。
続いてPDFの書き出しを行ったのだが、今回は入校用として一般的に使われているPDF/X-1a形式にして書き出す事にした(図3)。実は以前のバージョンではここが鬼門でレイアウトの状況によってはAcrobatのプリフライトでエラーが出る事が多かったのである。
さて、書き出したレイアウトを早速、Acrobatで開き、プリフライトを行った結果が図4である。エラーが起きる事もなく、問題ないPDF/X-1a形式のPDFが作成されているのが確認できた。
図3 PDF/X-1aのほかにPDF/X-3形式にも書き出す事が可能。オプションでその他の設定も行う事ができる |
図4 Acrobatのプリフライトで生成されたPDFがPDF/X-1aに準拠しているかをチェック。問題のないPDFが生成されている事がわかる |
ちなみにこれらのファイルをイメージセッターに通してみたが、エラーもなく正しく出力された事から、問題はないとみてよいだろう。QuarkXPressのユーザーはとにかく過去の資産がどのように扱えるかが一番気になるところではないだろうか? 今回の実験では3.3形式という、ポピュラーな形式のファイルをフォントを手直ししただけでそのままPDF作成したが、特に問題はなかった。
これらの作業がトラブルなく出来なかった以前のバージョンに比べると、格段の進歩といえるだろう。
※ 本稿では開発途中のQuarkXPress 8日本語版を使用しています。発売時には仕様変更されている可能性がありますのでご了承ください。