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利便性の高さや街としての魅力から、東京23区内に住みたいという人は多いでしょう。しかし、一般的に東京23区は他の地域と比べて家賃が高く、生活コストもかさむことで知られています。では、23区内に住んで「余裕のある暮らし」をするにはどのくらいの年収が必要なのでしょうか。今回は、一人暮らしのケースで試算してみました。

( Money )

東京23区内に住んで余裕のある暮らしができる年収は?

AUG. 20, 2024 11:00 Updated DEC. 23, 2024 17:16
Text : 武藤貴子
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利便性の高さや街としての魅力から、東京23区内に住みたいという人は多いでしょう。しかし、一般的に東京23区は他の地域と比べて家賃が高く、生活コストもかさむことで知られています。では、23区内に住んで「余裕のある暮らし」をするにはどのくらいの年収が必要なのでしょうか。今回は、一人暮らしのケースで試算してみました。

  • 23区内に住んで余裕のある暮らしができる年収、一人暮らしの場合はいくら?

■23区内で一人暮らしをする場合の生活費はいくら?

多くの人が憧れる、東京23区内での一人暮らし。では、東京23区で一人暮らしをするには、どのくらいの生活費が必要なのでしょうか。家賃データや総務省統計局のデータ(※)を参考に、23区内で一人暮らしをする場合の費用を見てみましょう。

  • 食費 4万4,038円
  • 住居費 8万4,000円
  • 水道光熱費 1万1,992円
  • 家具・家事用品費 5,904円
  • 被服費 5,009円
  • 保険・医療費 7,705円
  • 通信費 6,594円
  • 教養娯楽費 2万494円
  • 雑費 1万4,313円

合計20万49円

生活スタイルによってかかるコストは大きく変わるためあくまで目安になりますが、23区内で一人暮らしをするための生活費は約20万円と考えられます。つまり、手取り月収として20万円ほどあれば23区内で一人暮らしをするのにひとまず困らないでしょう。

また、これを額面月収にすると約25万3,000円、単純計算で年収に換算すると約304万円となります(ボーナスは考慮しない)。

(※)suumo東京都の家賃相場・賃料相場情報を探す 1K/1DK 豊島区の家賃相場 (住居費)
総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類 003 用途分類 (総数)都市階級・地方 2023年 地域区分: 大都市(一部費用を除外)

■23区内で余裕のある暮らしができる年収は

23区内で一人暮らしをするには月に約20万円の生活費が必要になることがわかりましたが、「余裕のある暮らし」を送るとなると、もう少し収入が必要かもしれません。何をもって「余裕がある」とするかは人によって大きく異なりますが、ここでは、余裕のある暮らしとして以下のような条件を設定してみました。

  • 手取り月収の3割を貯金できる
  • 住居費に11万円(港区の1K/1DK家賃相場)かけられる
  • 外食(1回3,000円)を週2回(月8回)、飲み会(1回5,000円)を月2回できる
  • 趣味や娯楽に充分お金をかけられる(月5万円)

一人暮らしの場合、一般的には手取り月収の10~15%を貯金するのが理想的とされています。ここではその倍にあたる、手取り月収の3割を貯金に回せる家計を想定しました。また、住居費は上記データ(suumo東京都の家賃相場・賃料相場情報を探す)の中から、1K/1DKで最も家賃相場の高い港区のものをピックアップしました。

その他、基本的な食費に上乗せして、1回あたり3,000円の外食を月8回、1回あたり5,000円の飲み会を月2回(合計3万4,000円)できること、趣味や娯楽に月5万円かけられることなどを条件としました。

貯金以外の3つの条件を新たに加えると、1ヶ月の生活費は以下のように変わります。

  • 食費 7万8,038円(外食費、飲み会代を上乗せ)
  • 住居費 11万円(港区の家賃相場に変更)
  • 水道光熱費 1万1,992円
  • 家具・家事用品費 5,904円
  • 被服費 5,009円
  • 保険・医療費 7,705円
  • 通信費 6,594円
  • 教養娯楽費 5万円(金額を変更)
  • 雑費 1万4,313円

合計万28万9,555円

設定した余裕のある暮らしを送る場合、先ほどの生活費からは9万円近くも高くなりました。さらに、これらの生活費以外にも、手取り月収の3割を貯金に回す家計を想定しています。手取り月収の7割で約29万円の生活費をまかなっているとすると、残り3割で約12万4,000円の貯金ができることになります。

生活費と貯金を合わせると、手取り月収は約41万4,000円必要です。額面月収にすると約51万円、年収にして612万円となります。

今回の試算では、23区内で一人暮らしをして余裕のある暮らしを送るには、年収612万円必要という結果になりました。もちろん、人によって「余裕のある暮らし」の基準は違いますし、お金のかけどころも千差万別です。ただ、家賃や物価の高い23区内であっても、年収600万円以上ある場合は余裕を持って一人暮らしができるのではないでしょうか。

「年収が今よりいくら高ければ、23区内で余裕のある暮らしを送れるのだろうか」と思ったら、自分の送りたい生活から費用を逆算し、必要な年収を試算してみましょう。

■余裕のある暮らしのためには、節約意識も大切

東京都内、特に23区内は他の地域と比べて家賃をはじめとした生活費が高い傾向にあります。そのうえで余裕のある暮らしを送るとなると、一人暮らしの場合は年収にして612万円ほど必要になりそうです。ただし、闇雲に出費がかさむと、年収がいくらあっても余裕のある暮らしを送ることはできません。余裕のある暮らしのためには、「節約すべきところは節約する」という意識も持つべきでしょう。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。