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なぜいま、国産ウイスキーに注目が集まっているのでしょうか。また、どのような銘柄が特に人気なのでしょうか。ジャパニーズウイスキーの魅力や人気の理由、相場の推移などについて、お酒買取専門店JOYLAB 代表の太田圭亮氏に聞きました。

( Life )

約1億円の落札実績も! ジャパニーズウイスキーはなぜこんなにも高騰しているのか

AUG. 09, 2024 11:00 Updated DEC. 23, 2024 17:16
Text : 春奈
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海外オークションで数千万円単位の値が付いたことで、世界中で注目が高まっているジャパニーズウイスキー。国内においても、人気の銘柄は抽選販売となることが多く、二次流通価格が定価を上回ることも珍しくありません。

なぜいま、国産ウイスキーに注目が集まっているのでしょうか。また、どのような銘柄が特に人気なのでしょうか。ジャパニーズウイスキーの魅力や人気の理由、相場の推移などについて、お酒買取専門店JOYLAB 代表の太田圭亮氏に聞きました。

  • 国産ウイスキーに注目が集まる理由は?

約9,770万円で落札されたウイスキーも

――世界的なジャパニーズウイスキー人気で、中古ウイスキーの買取価格も上がっているそうですね。ジャパニーズウイスキー全般の相場の推移を教えてください。

一時的な相場の上がり下がりはあるものの、当社で買取価格のログを残し始めて以降、ずっと右肩上がりで推移しています。最初に大きく上がったのは2019年です。

2022年以降の値動きは特に激しく、短期間で2~3割上がったり下がったりを繰り返しています。2023年に中国市場における需要減で大きく値を下げた時期がありましたが、2023年11月末にサントリーが2024年4月出荷分からの大幅値上げを発表したことで急激に需要が増え、買取価格も上がりました。

買取価格の平均は2024年4月~5月がピークで、現在はやや落ち着いている状況です。それでも、5年前の2019年7月と比較した2024年7月現在の主要銘柄の買取価格は、いずれも1.5倍~2倍程度になっています。

  • JOYLABにおける主要国産ウイスキー銘柄の買取価格・合計金額の推移

――2019年に大きく相場が上がったとのことですが、背景に何があったのでしょうか。

2018年から2019年にかけて、海外のオークションでジャパニーズウイスキーが高値で落札されることが相次ぎました。2018年にはサザビーズ香港が開催したオークションでサントリーの「山崎50年」が約3,250万円、2019年にはボナムス香港が開催したオークションで、イチローズモルトの「カード」シリーズ計54本が約9,770万円で落札されています。

これによって、ジャパニーズウイスキーの価値が高まり、にわかに注目が集まったことで、相場も大きく上昇しました。もともとの品質の高さは前提として、センセーショナルな話題をきっかけに、一般に認知が広がった形です。

独自性・希少性の高いジャパニーズウイスキーは投資対象にも

――お酒が数千万円単位で取引されるというのは、なかなか衝撃的ですよね。

そうですね。飲み物というよりは投資対象として扱われている感じがします。

お酒ではヴィンテージワインが投資対象として有名でしたが、ワインは品質を保持するのが非常に難しく、偽造品も多いため、投資対象として取り扱うのは敷居が高い面がありました。

対するウイスキーはワインほど温度変化に敏感ではなく、比較的品質を保持しやすいという特徴があります。ウイスキーはここ最近のものなので、比較的入手がしやすいという点でも投資対象として扱われやすくなっているのではないでしょうか。

――そもそも、なぜジャパニーズウイスキーが海外オークションで驚くような値が付くほど評価されているのでしょうか。ジャパニーズウイスキーの魅力についてお聞かせください。

ご存じの通り、日本はメリハリのある四季のある気候を持つ国です。日本独自の気候がウイスキーの熟成に好影響を与え、個性の強い風味豊かなウイスキーを生み出しているといわれています。また、日本には純度の高い軟水が豊富にあり、それがジャパニーズウイスキー特有の味わいになっています。日本の気候や風土が結果として、ほかの国にはない独自性・希少性を生んでいるといえるでしょう。

今後も高値傾向は継続か

――JOYLABにおけるジャパニーズウイスキーの買取本数のトップ5はすべてサントリーだそうですね。ほかに注目のメーカーはありますか?

埼玉県秩父市にあるベンチャーウイスキーが製造するイチローズモルトも非常に人気が高く、定価より高値で取引されることがしばしばあります。ボナムス香港のオークションで、「カード」シリーズ計54本が約9,770万円で落札されたことが、ブランド価値を大きく引き上げたのではないかと思います。味や品質の良さは当然のことながら、生産本数が少なく、欲しくてもなかなか手に入りにくいという状況がさらなる人気を呼んでいるのかもしれません。

――ジャパニーズウイスキーの相場は、今後も右肩上がりが続くと見ていいのでしょうか?

そうですね。値上げにより定価自体が上がっているので、一時的なアップダウンはあるにせよ、中長期的にはじわじわと値上がりしていくと思います。メーカーの原酒不足で、供給を大きく増やすことはできない状況が続いているので、それが改善されるまでは高値傾向が続くのではないでしょうか。

お酒買取専門店『JOYLAB』(https://joylab.jp/)

全国主要都市に直営店を運営し、ワイン・シャンパン・ウイスキー・ブランデー・日本酒・焼酎など世界各国のお酒を買取するお酒買取専門店。 数本から大量在庫まで1本ずつしっかりと査定します。査定お問合わせはLINEや電話などさまざまな方法で可能ですので、ホームページでご確認ください。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。