日常の小さな悩みのひとつ、手土産問題。"問題"などといっては聞こえが悪いが、実際、相手への思いが強ければ強いほど手土産には頭を悩ませがち。自信を持って「これ、美味しいんです!」と勧められるものがあればいいんだけど、そう簡単に見つかるはずもなく……。
そんな迷えるビジネスパーソン必見の最新情報が更新された。あのグルメ情報サイト「ぐるなび」は12月2日、「接待の手土産セレクション 2024」を発表。一体、どんな手土産が受賞したのだろうか。
約1000名の現役秘書が選ぶ「接待の手土産セレクション 2024」
そもそも「接待の手土産」はぐるなびが展開する手土産のお取り寄せサービスで、なんと、そのラインナップは現役秘書たちが全国から選りすぐっているという。
なかでも「接待の手土産セレクション」は、"ビジネスシーンに相応しい特別なお客様に安心して贈ることができる手土産"を約1000名の現役秘書たちが厳正かつ公平なる審査によって決定し、これを表彰する取り組みで、2015年から約10年にわたって開催されてきた。
授賞式には、「接待の手土産」のブランドマネージャーを務める中村さんが登壇。現役秘書を審査員にキャスティングしている理由について、次のように説明した。
「業務が多岐にわたる秘書には、高い能力と人間性が求められるため、日々仕事を通じて研鑽を積んでいます。上司が大切なビジネスシーンで利用する接待点選びへのこだわりはもちろん、相手との関係構築に一役を買う手土産選びでも、様々な観点の心遣いは欠かせません。そんな人たちに選び出される手土産は、誰もが知る名店の品から、知る人ぞ知る各地の名品まで、選りすぐりの価値のある逸品となるのです」(中村さん)
セレクションの審査は厳正で、(1)まずは事務局が事前審査を行い、一定基準を満たしているかどうかをチェック。(2)続いてウェブ品評を行い、各会100名以上の現役秘書が商品情報やPR動画をもとにアンケート形式で評価を実施。評価ポイントは高級感、デザイン性、実用性、特別感、価格など。(3)最後に結果集計。セレクション 2024では、なんと2023年10月から2024年8月という長期にかけて品評を行っていたという。
結果、「紀州南高梅 貴珠/梅見月」「のむ天然おだし【雅】/雅結寿」「赤坂料亭ごのみ詰合せ/赤坂松葉屋」など20の手土産が特選を受賞。「トリュフぼうろ/日本橋OIKAWA」「神戸フルワ/梅香堂」など5つの手土産が特別賞に輝いた。
今回「特選」に選ばれた手土産には、ある種の傾向があったようだ。ひとつはビジネスで日本を訪れる外国人が増えたことなどの影響で、「日本らしい」商品の需要が増えたこと。また、デザイン的に「高級感」のある商品や、相手の健康を気遣った商品なども喜ばれる傾向にあるという。
授賞式にはスペシャルゲストとして、タレントの大倉士門さんも登場。2021年に独立し、現在は固定のマネージャーもおらず、「現場現場にもよく自分で手土産を持っていっている」という。
そんな大倉さんは今回「特選」に選ばれた手土産のなかでも、紀州南高梅干し専門店「梅見月」 の梅干し「貴珠」が特に気に入ったようで、「僕の親族が和歌山にいて、紀州南高梅は昔から食べていたんですけど、これ(貴珠)を食べたときは衝撃を受けました。口に入れた瞬間、見た目よりもサイズが大きい感じで(果肉が)パッと弾けて、酸っぱさもちょうどよくてすごくいいなと思いました」と感想を口にした。
授賞式には「特選」に選ばれた手土産「赤坂料亭ごのみ詰合せ」を手掛ける赤坂松葉屋、「銀座黒豆へしれけーき」のKuma3、「のむ天然おだし【雅】」の雅結寿、「SUMMITインゴット」のBicerin GINZA SIXの各代表者らが登場。大倉さんとぐるなびの杉原章郎代表取締役社長がそれぞれに賞と花束を贈呈した。
雅結寿の代表取締役・阿部恵里子さんは挨拶で「このような素敵な賞に選んでいただき、本当にありがとうございます。 私たちは日本の伝統的なお出汁を、自然の素材を使いながら新しい形で楽しんでいただくことをコンセプトに商品作りをしています。大切な方への贈り物として、心温まる新しい売り物としてご利用いただければ大変嬉しく思います」と喜びを口にした。
授賞式後の会場では、早くも2025年の「接待の手土産セレクション」の品評会が行われた。審査員を務める現役秘書のひとりに"失敗しない手土産の選び方"について聞いてみると、「まず第一に、先方のアレルギーは確認したほうがいいですね」と一言。確かに、その視点は忘れがちかも……。
さらに、「逆に万人受けするようなものはあまり選ばないかもしれません。その人の口に合ったものを選んだほうが面白いと思いますし、会社によく届くようなお中元やお歳暮は誰もがしょっちゅうもらっているものなので、避けたほうがいいと思います。相手が年配の男性の場合、甘いものよりオツマミになるような塩っけのあるもののほうが無難かもしれませんね。あとは、持ち帰るのが大変なので、あまり重量があるものも控えたほうがいいと思います」とアドバイスもいただいた。
「接待の手土産セレクション」を参考にしつつ、こちらの現役秘書さんの金言も胸に刻みながら手土産選びの審美眼を磨いてみてはいかがだろうか。きっと、ビジネスで大きな武器となるハズだ。