2024年は世界的に政治の不安定化が進みました。2025年はトランプ政権発足もあり、さらに政治の不確実性が高まる可能性も。経済は政治に振り回される面が否定できません。2025年の経済に影響を与える可能性のあるトピックを取り上げました。
2025年に注目される経済トピックは?
2024年はパリ五輪、米大統領選、日銀の利上げ・米国の利下げというトピックがありました。その中でも米株式市場は上昇が続き、国内株式市場も米国ほどではないものの上昇しています。
2025年はどのような経済トピックがあるのでしょうか?主なものを以下に取り上げて解説します。
- トランプ政権発足
- 大阪・関西万博開催
- 参議院選挙
- 米利下げと日銀の利上げ
- 中国経済及び欧州経済の行方
- 日韓関係の不安定化
トランプ政権発足
2024年末の段階で見えている、2025年の世界最大の政治及び経済トピックはトランプ政権の発足と言えるでしょう。前政権時はトランプ大統領のSNSのつぶやきが、金融市場を大きく動かすことが多くありました。既に2025年1月20日の就任式を前に、トランプ前大統領の発言を金融市場は警戒しています。
米中関係、関税問題、ウクライナ戦争、パレスチナ紛争など、トランプ政権が取り組むテーマは盛りだくさんです。2025年はトランプ大統領のSNSでの発言などに、改めて注目が集まることになりそうです。
参議院選挙
2024年10月に行われた衆院選は政権交代には至りませんでしたが、自民党の大敗で終わりました。衆院選の際は株価が上昇する、というアノマリーも外れました。
2025年は7月までに参議院選挙が予定されています。既に少数与党で政権運営が不安定な石破政権ですが、参院選挙でも敗北すれば、退陣を余儀なくされる可能性があります。
政治の不安定化は株式市場にとってはマイナス要因です。世界的に政治の不安定化が進む中で、国内でも2025年の参院選の結果が政治の不安定化を加速させるか注目されます。
FRBの利下げと日銀の利上げ
2024年は日銀が利上げを行い、FRBは利下げを行いました。日米の中央銀行は逆の金融政策を行う中で、米国は2025年も利下げの継続が見込まれ、日銀も2025年の利上げの可能性があります。真逆とも言えるFRBと日銀の金融政策は、2025年の金融市場にどのような影響を与えるか注目されます。
中国経済及び欧州経済の行方
中国経済の低迷は2024年も続きました。中国ではEVや半導体分野への投資が続くものの、不動産価格の下落問題は依然健在です。日本でもバブル崩壊後、失われた30年が来るなど不動産バブルの後始末には長い時間がかかりました。中国の不動産問題はどのような時間軸で解決するのか、2025年も引き続き注目が集まると予想されます。
また2024年後半は欧州経済、特にドイツ経済の後退が注目を集めるようになりました。中国経済との結び付きの強いドイツ経済でしたが、中国のEVメーカーの台頭によりドイツ車の中国でのシェアが急速に低下しています。また欧州のEV市場も予想ほど伸びず、また逆に中国製EVが欧州に進出するなど、足元を脅かしています。
ウクライナ戦争の継続も欧州経済に暗い影を落としており、2025年はこれまで以上に欧州経済の悪化が注目されそうです。
日韓関係の不安定化
12月3日に韓国・ユン大統領は戒厳令を宣言したものの、約6時間で撤回を余儀なくされました。少数与党で不安定な政権運営が続いたユン大統領ですが、その後に国会で弾劾議案が可決しており、2025年は失職の可能性もあります。日韓関係の正常化に尽力し、現在の友好的な日韓関係の礎を築いたユン大統領が失職すれば、再び日韓関係の不安定化リスクが浮上します。
韓国は日本にとって経済的にいいお客さんであり、日韓関係の悪化は日本経済の足かせとなる可能性もあります。
2025年はトランプ大統領の年だが他の経済トピックも数多く存在
2025年は1月にトランプ政権が発足します。2025年は年中、トランプ大統領に振り回される可能性も否定できません。しかし2025年はトランプ大統領の再登板以外にも経済トピックは多く存在します。
2025年も2024年以上に、経済が政治に振り回される機会が多くなる可能性は否定できません。それでも政治の混乱がありながら、投資の観点では株価が上昇した2024年と同様の展開を期待したい所です。