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日経平均株価が乱高下している。4,451円と過去最大の下げ幅を記録した5日から一転、6日には上げ幅が一時3,400円超を記録。波乱相場に動揺している人も多いだろう。こんなとき、個人投資家はどのように行動したらいいのか。『新NISAで始める! 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』を出版した投資家の「配当太郎」さんに話を聞いた。

( Money )

日経平均の乱高下、どう行動すべき? 増配株投資家の「配当太郎」さんに聞く

AUG. 06, 2024 18:22 Updated DEC. 23, 2024 17:16
Text : 横山茉紀
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Contents

日経平均株価が乱高下している。4,451円と過去最大の下げ幅を記録した5日から一転、6日には上げ幅が一時3,400円超を記録。波乱相場に動揺している人も多いだろう。こんなとき、個人投資家はどのように行動したらいいのか。『新NISAで始める! 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』を出版した投資家の「配当太郎」さんに話を聞いた。

株価が乱高下するいまだからこそわかる、配当株投資の魅力

━━学生時代に株式投資を始められたという配当太郎さん。リーマン・ショックが配当株投資に目覚めたきっかけだったそうですが、どんな出来事があったのでしょうか?

リーマン・ショック前は市場が良かったということもあり、企業や業績の分析をすることなく、話題に上がる銘柄を自分の直感で売ったり買ったりしていました。

もちろん、自分が好きな企業の株ではあったのですが、短期で売買したり、イナゴ投資をしたりしていたのです。

しかし、リーマン・ショックでその手法が通用するわけもありません。当時は、ただ資産が減っていく状況をなすすべもなく眺めることしかできませんでした。

とはいえ、保有していた銘柄の中でも業績の良い企業からは配当金が入ってきました。キャピタルを得ようとしても得られない市場だったからこそ、インカムゲイン、配当株や優待株の投資に舵を切ろうと思ったのです。

━━8月5日には日経平均の終値が前週末比4,451円安、ブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅となりました。改めて、インカムゲインを重視した配当株投資の魅力を感じていらっしゃいますか?

株式投資とは何なのか改めて考えたときに、"企業の業績の恩恵を受ける"という点が一番大事なポイントではないでしょうか。経営者は株価にコミットすることはありませんが、企業が発表する一株配当の予想はある種、株主に対する約束に近いところがありますから、それを実現するために全力を尽くしてくれるだろうと私は信じているんです。

配当金は結果的に目に見えている数字なので、自分の収支もわかってくるし、株価がものすごく上がれば売却して利益を得る選択肢を取ることもできます。配当株投資をベースに置いておくと、安定的な収入を得ながら機動的に動くことができるんです。

今回の日経平均の下落で一時的に資産が減ったとしても、配当株であれば、外部要因で経済後退がない限り、配当収入に変化はないと思っています。また、こういう場面で打診買いしていけば、その先には株数が増えたことによる配当金増加も見込めます。長期保有・インカムゲイン重視の配当株投資は、超マクロ的視点で考えれば心配が少ないと感じます。

自分が信じられる企業、大型株を保有し続ける

━━長期に保有し続ける配当株を選ぶにあたって大事なポイントは何でしょうか?

一番は自分がその企業を信じられるか、信じられないかです。長期投資なので今回のようにいつどこで株価の谷間があるかわかりません。これからも大丈夫だろう、稼ぎ続けるだろう、一時的に下がっても株価が戻ってくるだろうと思える企業の銘柄を選ぶといいと思います。

そして、できれば感覚だけではなく、過去から現在にかけての業績と、株主還元姿勢を確認しましょう。決算資料を見ていくと、業績の伸びに対する還元の増え方の傾向もわかってきます。

信じる力が秀でているのであれば、ほったらかしでいいとは思いませんが、市場も業績も気にしないという選択だってアリだと思います。ただし、配当利回りの良さだけで銘柄を選ぶことは避けましょう。

株式投資に絶対はありません。しかし「この企業で何かあれば日本経済が終わるのではないか」と思えるレベルの企業の、大型銘柄であれば、よっぽど失敗することはないのではないでしょうか。

今後も日経平均は動く、大事なのは"慌てない"こと

━━5日から一転、6日には全面高の展開となり、前日終値に比べて3,217円高い3万4675円46銭で取引を終了、過去最大の上げ幅となりました。配当太郎さんはこれまでと、これからの相場の動きをどう分析していらっしゃいますか?

8月1日・2日の時点で個人投資家の資産は既に毀損していました。現物株投資であれば含み損を抱えるだけですが、信用取引の場合、損失を徹底的に出しているタイミングで5日の株価下落を迎え、追証(委託保証金を追加で差し入れなければならない状態)になり、資金を確保するため投げる(損を承知で売る)しかないという状況に多くの人が陥ったと思います。その結果、相場がクラッシュしてしまったのではないでしょうか。

いままで、株価が強く上昇していたところに信用の買いもあり、いびつな上昇が続いていました。そんなタイミングで信用取引をしていた投資家がすべて投げてしまったので需給が改善し、バリエーション上は株価がものすごく安くなりました。それを待っていた人たちが、買うことによって自律反発を含めた強い上昇になったのだと思います。

大きな地震の後には必ず余震があるように、今後も何かの理由をつけて日経平均は動くでしょう。

━━これから株式投資を始めようと考えている方は、購入タイミングをどのように考えたらいいでしょうか?

いま、積極的に買いましょうとは言いません。しかし、異常に株が売られたのは事実ですので、例えば少しだけ買ってみて様子を見てはいかがでしょうか。株価が変動し、上がったからもう少し買ってみようと思うかもしれないですし、反対に下がったとしたら今後の上昇を見越して買い足そうと判断するかもしれない。自分の投資の軸を定めるという意味でも、試しに買ってみるのはアリかなと思います。

━━既に株を保有している人はどのように行動したらいいですか?

資金があるのであれば打診買いしていけばいいですし、先行きに対する不透明感があるなら、その不透明感が落ち着いてから購入を検討したら良いと思います。

反対にやめた方がいいのは、株価が大きく反発したから「乗り遅れまい」として一気に資金を投入し、株を買うことです。6日の上昇を見越して5日に買っておけば良かったと思う人もいるでしょうが、買えなかった後悔をしても仕方ありません。慌てず、焦らず、冷静に判断して、少しずつ買っていきましょう。

今回の相場を乗り越えたことで、皆さんには少なからず、市場に対する免疫ができたと思います。投資金額が少なければ含み損も少ないので挽回できますし、資産規模が大きい場合には、すでにお金がお金を生む仕組みを確立されていると思いますので、一時資産額が下がったとしても気にされていないでしょう。この経験の先に必ずリターンが期待できますので、投資をし続けるのが一番良いという結論になると私は考えています。

『新NISAで始める! 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(配当太郎 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)

8万部突破のヒット作『年間100万円の配当金が手に入る最高の株式投資』の第2弾! 今作は、新NISAだからこそできる、年間240万円の配当金を手に入れる方法を具体的に、わかりやすく解説します! 本書では、注目に値する22の「増配銘柄」をピックアップして、現在のリアルな「稼ぐチカラ」はもちろん、将来における成長性への期待値をお伝えします。それと合わせて、「どのような組み合わせで株を買い進めればいいのか?」に着目して、手堅く鉄板を狙う「四天王」型や、「利回り重視」型など、4つの理想的な組み合わせパターンも紹介します。

配当太郎

投資家。学⽣時代に株式投資を始め、リーマン・ショックを経て、配当株投資に目覚める。大型株を中心に投資し、保有銘柄の9割は配当⾦が年々増える「増配銘柄」が占める。X(旧twitter)のフォロワーは18万人超。毎⽇、配当株投資に関する情報を発信している。著書に『年間100万円の配当金が⼊ってくる最高の株式投資』

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。