ベントレーモーターズは6月26日(日本時間)、発売21年目を迎えたコンチネンタルGTシリーズの第4世代モデル「コンチネンタルGTスピード」を発表した。英国クルー本社のドリームファクトリーにてすべて手作業で製作される。
ベントレーモーターズは6月26日(日本時間)、発売21年目を迎えたコンチネンタルGTシリーズの第4世代モデル「コンチネンタルGTスピード」を発表した。英国クルー本社のドリームファクトリーにてすべて手作業で製作される。生産および納車は第3四半期より開始予定。クーペと同時に、オープントップの「コンチネンタルGTCスピード」もラインナップされる。
3つの伝統を受け継いだエクステリア
エクステリアは、1952年のRタイプコンチネンタル以来、ベントレーの伝統となっている3つの重要なデザインを継承。1つ目は、2ドアのモダンベントレーを踏襲した「眠れる野獣」のようなフォルム。2つ目はサラブレッドの美しい立ち姿からインスピレーションを得たというフロント部分。3つ目はボンネットからボディへと水平に伸びる力強いラインの「エンドレスボンネット」だ。
これらを継承しつつ、フロント部分のデザインを一新。ボディと同色の一体型ボディキットと合わせて、コンチネンタルGTの歴史の中で最も大胆な変更という、眉のような水平のラインが特徴のシングルヘッドライトを採用した。
バンパー、テールライト、トランクリッド、テールパイプなどのデザインも見直し、リアダウンフォースを発生させる空力デザインをトランクリッドに盛り込んだ。バンパーは装飾を抑えすっきりした印象となり、テールライトはワイドデザインでトランクリッドまで伸びている。ホイールは新設計の22インチサイズで、ポリッシュアクセント付きのダークティントペイント、グロスブラック、シルバーペイントを用意する。
モダンファッションデザインからインスピレーションを得たインテリア
インテリアでは、シートとドアに精巧なキルトパターンを採用。シートは20通りから選択でき、オプションのウェルネスシートではと「ポスチュラルアジャスト」と「オートクライメイト」が前席に装備される。新登場の「ダーククロームスペシフィケーション」は、ドアハンドル、スイッチ、スピーカーグリルなど、キャビンの随所がダーククロームとなる。
12.3インチのローテーションディスプレイは先代モデルから継承。オーディオシステムは3種類を用意し、標準装備は650W出力/10スピーカー構成。Bang & Olufsenのものは1,500W出力/16スピーカー構成となる。Naim for Bentleyは2,200W/18スピーカー構成で、前席にアクティブバストランスデューサーを内蔵する。キャビンにはムードライトを取り囲むように配置し、30色からムードライティングを選択可能だ。
新パワートレイン
パワートレインは、600PSの4.0リッターV8エンジンと190PSの電気モーターを組み合わせた完全新設計の「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」。最高出力は782PSとなり、最大トルクは1,000Nm。0-100km/h加速が3.2秒、最高速度が335km/hというパフォーマンスを発揮する。航続距離は、電気だけ(EUドライブサイクル)で81km、トータルで859km。
電気モーターはトランスミッションハウジング内に配置し、エンジンの低回転時やシフトチェンジ時に電気モーターがトルクを供給。スムーズな走りをサポートする。加えてターボラグを電気モーターによって解消し、シングルスクロールターボチャージャー×2基の構成。より高温でターボチャージャーを作動できるため、排気ガスを最小限に抑えられる。WLTPモードでのCO2排出量は29g/km。
ノルウェー公営道路局とノルウェー警察の協力のもと、ノルウェーのローガラン県にある全長14.4km、深さ292mのルフルケトンネルでの速度記録に挑戦した結果、停止状態から最高速度335km/hまで33秒だった。非公式記録ではあるものの、トンネル内での世界最高速度の新記録となっている。
走行モードは、EV、エレクトリックブースト、回生ブレーキなどを搭載。充電モードでは、エンジンの動力でホイールが回転すると同時にバッテリーの充電を行う。EVモードは190PSおよび450Nmのパワーがあり、アクセルを最大75%まで踏み込んだ状態で140km/hまで速度を出せる。バッテリチャージャーとバッテリー容量も改善を図り、容量は25.9kWh、最大充電電力は11kW、満充電までは最速2時間45分だ。バッテリーはリアアクスル後方に配置している。
8速デュアルクラッチのトランスミッションは、eLSDによって強力なパワーを四輪に伝達。センターデファレンシャルを介して前後のトルク配分を最適化する。左右のトルクに関してはブレーキを使用して正確な制御を行う。
シャーシは新型の「ベントレーパフォーマンスアクティブシャーシ」となった。ベントレーダイナミックライドと新世代のESC制御ソフトを組み込み、新設計のデュアルバルブダンパーシステムとデュアルチャンバーエアスプリングを採用。これらを組み合わせて快適なパフォーマンスとハンドリングを得ている。重量配分を前49:後51のリア寄りに変更するこtで、全体的な運動能力とステアリングフィールが向上した。
ブレーキシステムは、鉄製ベンチレーテッドブレーキとカーボンシリコンカーバイドブレーキの2種類を用意。鉄製ベンチレーテッドブレーキは、ブレーキディスクがフロント420mm、リア380mm。カーボンシリコンカーバイドブレーキは、ブレーキディスクがフロント440mm、リア410mm。どちらも10ピストンのフロントキャリパーと4ピストンのリアキャリパーを備える。
ドライバーアシストテクノロジーが大きく進化
コンチネンタルGTスピードでは、インフォテインメントとドライバーアシストのテクノロジーも大幅に進化。例えばインストルメントパネルの環境ディスプレイは、セミアシストモードでの運転をサポートし、他車に対して自車がどのように反応しているかをドライバーにフィードバックする。
周囲の環境を認識できる機能を備えたことで、最新式のインテリジェントパークアシストによる自動駐車も可能になった。そのほかエアコンシステムでは、車外と車内のエアクオリティをディスプレイに表示。エアコンシステムは衛星ナビゲーションとも同期し、トンネル内では内気循環にするといった自動コントロールに対応する。
Apple CarPlayやAndroid Autoの機能も改善。スマートフォンとペアリングすることで使えるコネクテッドカーサービスでは、車両がプラグに接続されていると充電を監視・操作できる「リモート充電ステータス」、スマートフォンからのリモート操作で駐車・出庫を行う「リモートパークアシスト」、乗車前に車内を快適な温度に整える「リモートキャビンプレコンディショニング」などを備える。コネクテッドカーサービスには毎年、新機能を追加していく予定。アプリなどを車輌に直接ダウンロードできる「My Bentley App Studio」も新たに導入された。