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1924年――、初めて「CITIZEN」のブランド名を冠した「16型懐中時計」が誕生してから、2024年でちょうど100年。これを記念して、東京都内にてCITIZENブランド時計100周年記念イベント「The Essence of Time」が開催された。

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「CITIZEN」ブランド時計100周年記念イベント、「The Essence of Time」を見てきた(前編)

JUL. 21, 2024 12:00 Updated DEC. 23, 2024 16:23
Text : 青木淳一
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1924年――、初めて「CITIZEN」のブランド名を冠した「16型懐中時計」が誕生してから、2024年でちょうど100年。これを記念して、東京都内にてCITIZENブランド時計100周年記念イベント「The Essence of Time」が開催された。

関係者を招いてのクローズドイベントながら、その内容は、シチズンが辿ってきた100年の道のりと、時計作りのビジョンを伝える非常に興味深いものだった。そこで一部ではあるが、会場の雰囲気や展示物をご紹介したい。

  • 東京の会場は千代田区の無形文化財「九段ハウス」

CITIZENの「これまでの100年」と「次の100年」をつなぐ

「The Essence of Time」は、今回の東京(すでに終了)を皮切りに、今後は北米や欧州でも開催される。

東京の会場となったのは、千代田区の無形文化財「九段ハウス」。1927(昭和2)年築、鬱蒼とした木々に囲まれた洋館作りに、格調高い洋間と和室が併設された構造は、シチズンブランドが誕生した当時の雰囲気を色濃く残す。

  • 会場入り口のインスタレーション。シチズン時計のおもな製品写真が年代順に並ぶ。祖の部分には、もちろん「16型懐中時計」(本物)が配置されていた

  • モデルをつなぐ曲線は「カレンダー機能の進化」「標準電波から衛星電波へ」など、それぞれのモデルの関連性を表している

  • 板張りが美しい。これぞ昭和の建物!

  • 西洋風の生活スタイルの流入が和洋折衷の建築に現れている

会場には、シチズンの足跡とデザイン、アイディアなどを物語る選り抜きの100本の時計が展示された。その中には、「16型懐中時計」をモチーフに「今のシチズン」と「これからの100年」を見据えて開発したという、CITIZENブランド時計100周年記念懐中時計「NC2990-94A」の姿も。

  • スタジオ風に並べられたディスプレイ

  • 実機展示のフォーマット。このようなスタイルで100本分の説明とデザインスケッチなどの資料が並ぶ

  • 当時、時計製造に実際に使用されていた道具類も展示されていた

  • 時計製造の道具も自社で製造していたことがシチズンの強みだ。写真は「Oリング挿入器」

「NC2990-94A」は、現代の技術による6姿勢での精度調整に加えて、ムーブメント装飾を増やしたり、ブリッジ形状をよりスリム化、歯車も再設計、散らして配置したりするなど、外見の美意識をさらに高めている。

  • 「CITIZENブランド時計100周年記念懐中時計「NC2990-94A」。オリジナルの「16型懐中時計」との違いは、吊り下げフックとダイヤルのテクスチャーで見分けられる

  • オリジナルの「16型懐中時計」

同時に、長年の使用に耐えうる分解しやすい構造を採用。次の100年へ受け継ぐバトンとしての役割も担っている。

ちなみに価格は110万円。2024年の秋冬ごろに発売予定となっており、特定店のみの扱い、世界限定100個となる。

また会場では、展示した100本の時計1本ずつに1枚の短冊形リファレンスを設置。来場者はこれを1枚ずつ集めながら、地下1階から3階までのフロアを巡ることで、最大100本のシチズン時計事典が完成するという趣向も凝らされていた。

  • リファレンスを全部集めると、このボリューム! しかも、裏面にもサイドビューのイラストと説明があるのだ(製作した方々に拍手!)

この100本の時計は、「洗練された技術」「新しいことへの挑戦」「人への寄り添い」「表現の美しさ」「エコ・ドライブ」「外装に見られる先進性」など、12のカテゴリーに分類。驚きと懐かしさ、それらが刺激となって生まれるインスピレーションが凝縮された展示だった。

さて後編では、展示品の中から筆者の目に留まった10本を写真とともに紹介する。お楽しみに!


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。